ホール内。一瞬の邂逅
「………かったりぃな。殺し合いなんて勝手にやってろよな。何で俺が巻きこまれんだよ」
銀髪の少年。ソウルは無数に並べられたホール内の椅子の一つに座り、呟く。
この彼の想いは参加者全員が共通して持っているものなのだが、それを代弁するように一人呟く。
そしておもむろに名簿を開けて、他の参加者の確認を行う。
「マカにブラック★スターにキッドまでいんのか。とりあえずマカの奴は探さないわけにいかねーよな。
次の放送で呼ばれるとか洒落になんねーし」
ソウルは名簿をバッグに戻すと、椅子から立ち上がりホールの出口へと歩きだす。
するとそこから対面する形で、ホールの扉が開く。
「んっ!」
ソウルは扉が開くのを確認すると、咄嗟に身構える。
相手が攻撃をしてきた場合に対応する為の構えだ。
しかし、相手の対応は意外なものだった。
「なんだ人いたんだ。良かったぁ。あたし一人で夜の街中に一人とか本当に怖いから安心したわ。って、ひょっとして外国人。
日本語分かる?あたし、最上キョーコ。芸名は京子ってわからないか。ねえ、あんたはなんていうの?」
それは想像以上に軽く、明るい口調だった。
その裏に殺気も感じ取れず、先ほどの仮面の男がいた異様な空間との落差にソウルの力も思わず抜けてしまう。
「ソウルだ。あんた芸名ってなんかやってんのか」
「えっ、あたし女優だけど。まあ新人で女優って言うにはまだまだだけどね」
「女優か。………じゃあな。俺、探してる人がいるから」
ソウルはそれだけ言うと、キョーコとすれ違い外へ出ようとする。
だが、それを焦るようにキョーコが呼び止める。
「待ってよ。探してるって別に場所がわかるわけじゃないんでしょ。だったら」
「いや、それでもここで待ってるよりは見つかるだろ。大丈夫だよ。あんたはここで隠れてたら少なくとも夜が明けるまでは
何とかなるだろ。それから走るなりして、LIAR GAMEとかいう会場に向かえば当面は安全だろうし、俺と一緒に歩き回るよりは
危険はすくねーよ」
「……分かったわよ。あんたが一緒は嫌だって言うならそれでいいわ。じゃあせめてこれだけお願い。敦賀さんとモー子
がもし見つかったら助けてあげて。不破尚って男は別にどうでもいいけど、その二人だけはお願い」
「俺が邪魔になんねー範囲でならいいぜ。どうせ殺し合いに乗る気はねーしな。だがモー子って誰だ?んな奇抜な名前ねーぞ」
ソウルはキョーコの願いを渋々受けるが、それと同時に名簿を取り出し、正体不明の名前を聞き返す。
するとキョーコはソウルの近くへ走りより、名簿を見ながら一つの名前を指差した。
「これよ。これ。この琴南奏江って名前の人。いつもモー、モーって起こるからモー子さんなの」
「………何だかすげーあだ名だな」
あだ名の由来にしばしソウルは呆れるが、すぐに気を取り直して歩きだす。
「じゃあその琴南奏江ってのと敦賀……蓮だな。この二人に会えば機会があれば守ってやるよ」
「うん。お願い」
「あんたも気をつけろよ。多分こねーと思うけど、危険そうな奴が来たら椅子の陰に隠れて逃げろな」
「分かってるわよ。あたしも無茶して死ぬなんてごめんなんだから」
「じゃあな」
「ええ」
こうして二人は偶然すれ違い、一瞬で分かれた。
この後二人が再開するかどうか。
それはまだ。分からない。
【I-9 ホール内/ 1日目 深夜】
【最上キョーコ@スキップ・ビート!】
[状態]:健康
[装備]:私服姿(ラブミー部のつなぎではない)
[道具]:支給品一式 ランダムアイテム1〜3
[思考]
1:夜が明けるまでホール内に隠れる。
2:もし危険人物がホールに入ったら逃げる
3:敦賀蓮と琴南奏江に会いたい。不破尚とは今は会いたくはない
[備考]
登場時期は少なくともDARK MOONの問題が一段落して以降
【I-9 ホールの外/ 1日目 深夜】
【ソウル=イーター@ソウルイーター】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:支給品一式 ランダムアイテム1〜3
[思考]
1:マカを優先的にキッド、ブラック★スター、椿を探す。
2:首輪をどうやって外すか考える
[備考]
登場時期は少なくとも鬼神復活以降
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