崩壊の序曲






すでにホテル跡が大きく見え始めていたが、それでも高野は警戒を怠る事が無かった。
何せ、周囲には身を隠せるような木や茂みが、殆ど無いとも言っていい状態なのだ。
もしもホテル屋上のヘリポートから双眼鏡……ならまだしも、狙撃銃で監視されていれば、彼女達は格好の餌食になりかねないだろう。
それだけの狙撃が出来る技量を持った人間はそうはいないだろうが、安全を確認するまでは油断できない。
故に高野は真っ直ぐホテル跡を目指す事はなく、常に緊急時に隠れられる場所を確保するべく、やや蛇行気味に足を進めていっていた。
その事は当然ながら岡や雪野に指摘される事となったが、高野は彼らの能天気さに呆れつつも仕方なく説明しておく。
もっとも、いざ狙撃者が現れた場合、彼ら……特に俊敏さに欠ける雪野は、弾除けとして自然と役に立つであろうという算段だったが。

遮蔽が無いというのは、やはり不便な物があった。……前方からの人の接近が、容易に察知できる。そして、その逆も然りだった。
播磨拳児。その長身を隠す事なく、彼がこちら目掛け走ってきていたのだ。
先ほどの放送で天満の死を知り、彼の心境に大きな変化があったであろう事は、高野には容易に想像が出来る。
極限まで負に傾いたであろう彼が一体どのような結論を導き出し、足を進めているのか?
何にせよ、高野の望む終局に欠かせない存在となっているだろう播磨は、その一方で今の自分達に何ら利する事は無いのだ。
「高野、雪野、下がってろ!」
「岡君!」
ずい、と岡が前に出る。クラスでは播磨相手にビビっていた事も多かったのにと、高野はほくそ笑む。
「岡君、危険よ!」
「大丈夫だぜ、高野! お、俺が、お前達を守ってやるよ!」
「鎖鎌は振り回すのは鎌じゃなくて分銅の部分よ! 鎌を振り回したら、自分に刺さるだけよ!」
「あ……」
つくづく使えない…という事もない。岡が進んで前面に出た事で、彼を盾にしつつ、播磨との交渉が可能な状況となった。
見たところ、播磨は一定の距離を保った上でこちらの様子を見始めた。少なくとも臨戦態勢ではないのだろう。
何にせよ、彼は天満が死んだという事実の為に、心がまともではなくなっている筈だ。もしかしたらその事から逃げたのかもしれないが。
しかしその単調な性格を御するのはそう難しい事ではないだろう。まずは彼の状態を見極め、これからに必要な人材か判断すればいい。
何より高野達には烏丸という、播磨にとっては一種の嫉妬の対象だった男に関する情報があるのだ。
彼の神経を逆撫でせず、これから先に高野によって企画された、崩壊の駒とする。その為にも、今こそ彼女の実力が発揮されるのだ。

「これ、は……!」
ハリーのリュックから落ちたメモを見て、西本は目を丸めていた。
最後の一文から東郷の遺した物だと分かったのだが、その内容は彼に大きな衝撃を与えた。
今回のゲームが他にも起きていた事実、東郷がノートパソコンに残した情報。そして何より、首輪の盗聴器の存在である。
「ねえ、何が書いてあったの?」
「ああ、東郷君の遺言が……もし矢神に帰れたら、自宅の盆栽に水をやってくれ、って」
彼の形相が気になったのか、内容を尋ねてきた沢近に対し、西本はメモの文面を見せ、盗聴器の一文を指差す。
「……そ、そう。彼、そんな趣味があったなんて……」
聡明な沢近は西本の期待通りに答えたが、その声は裏返りかけていた。
無理も無い。今まで自分達が盗聴されていた事など、今まで考えた事も無かった筈なのだから。
これまでの自分の言動の中に聞かれたらまずい事があったのではないか、彼女はそう焦っているようだった。
だがその実、誰よりも不安なのは西本だった。何せ彼は、何度も声高に教師達が自分達の味方をする可能性を叫んでいたのだから。
逆に言えば、その程度では爆破の対象にはならないという事なのかもしれない。
しかし携帯電話の一件もあり、自分が教師達に特にマークされている可能性がある事を、彼は認識した。
「じゃあ、とりあえず新しいパソコンの機能を試すダスか」
「ああ、食料ね! 一つくらいグレードの高い物が入ってないかしらね! 安物ばっかりで嫌になってたのよ!」
沢近の声はなお不自然に感じたが、西本は気にせずノートパソコンを操作していく。
もっとも、出てきたのは食料の一覧などではなく、パスワードの入力画面。
東郷が遺したそれに、西本は「気まぐれな猫」と打ち込み、そしてメモ帳の画面が開かれた。

『ふと思ったんだが、加藤先生はゲーム開始前、やたらリュックをあさっていたな。
 らしくないというか、えらく挙動不審だったが。
 次々俺達が名前を呼ばれてリュックを渡されていく間だったんだが、それがかなり印象に残っている。
 しかも、あの先生は銃を入れ替えたりもしていたんだ。元々リュックにあった銃と、先生が持っていたAR15を。
 忌々しき事だと思わないか? 先生がリュックから取り出したのは恐らくイングラムだが、AR15はあれと比べようが無い程の威力だ。
 眩暈がするな。その気になれば狙撃にだって使える銃だ。あんなものを殺し合いの道具に使い出したら、大変な事になる。
 もう少し詳しく様子を見ていればよかったんだが、残念ながらどの荷物が誰に行ったかまでは見届けていない。
 リュックは皆同じ形をしているからな。それに、途中から他の先生達もリュックの近くに行き来し始めたからなおさらだ。
 おっと、そういえば加藤先生は誰か2-Cの男子にリュックから取り出した液体? か何かを渡していたな。
 さて、あれが何なのかは分からないが、少なくとも体にいいものには見えなかったな。
 がっついたりはしていないだろうが、まあ、そいつとも早めに会っておきたいものだ。中々体力がありそうだったしな。
 せめて、俺達が拠点を完全に作り終えるまでに、犠牲者が増えていない事を願うばかりだ。
                                                        東郷雅一 』

「……やっぱり大した事ないわね、ここのパンは」
沢近の声は冷静さを取り戻していた。今の西本と同じく、その内容に驚愕したのだろう。
次々と郡山の怒鳴り声が響き、一人、また一人と怯えながら出発していったあの時、東郷はそこまで見ていたとは。
西本はそういった光景を殆ど目にしていないのでそれが正しいのか判断できないが、少なくとも彼が死すら想定して遺した物なのだ。
それが嘘だとも、勘違いだとも、西本には思う事ができなかった。
それにしてもこのデータは、西本の持論を支持する物にも、否定する物にもなりえるものだった。
加藤の行為は確かに、東郷の見方で行けば殺し合いを助長する非道そのものだ。
だがもしも、それが生徒を助ける為のものだったらどうだろうか。西本の頭脳はその可能性を追求する。
狙撃にも使えるというAR15。その気になれば禁止エリア外からの攻撃もできるかも知れず、対主催者用の武器として非常に優秀な物だと言える。
液体? に関しては分からなかったが、少なくともメモに記された加藤の行為を、西本は自分達への完全な敵対行為と認識する事はなかった。

「……じゃあ西本君、これからどうするの?」
地図の裏と筆記具を用意し、沢近が尋ねてくる。恐らくこのメモの内容について意見を交わしたいのが本音なのだろう。
「フム、とりあえずはもう少しノートパソコンの充電を進めて……ムッ!?」
筆記具を取ろうとした時、小気味のいい電子音が鳴り響く。それは間違いなく、インカムの子機から鳴らされた物だった。
即ち、播磨からの通信だ。沢近は慌てて取ろうとしたが、近くにいた西本が先に耳に当てる。
後ろから不機嫌そうに沢近が睨んできたが、この二人に通信されるのは、西本の心臓によろしくないのだ。
「こちら西本ダス。播磨君、どうしたんダスか?」
『おう、西か。いやな、今高野達に会った所なんだよ』
「高野さん、ダスか? それで、あとの二人は?」
高野という単語に、沢近が顔を輝かせた。彼女は通信を代われと迫ってきたが、しかし情報確認が優先だ。
考えにくいが、もしかしたら三人ともゲームに乗っている可能性すらあるのだ。
『えーと、そっちが雪野で、こっちが小山……あ、岡か。悪ぃ悪ぃ』
……わざとかと思えるような名前の間違えぶりだが、しかしその人員構成を聞いた西本には希望が満ちてきていた。
高野はともかく、雪野や岡がゲームに乗るとは性格的に考えにくい。何よりも、岡はもはや数少ない西本軍団の生き残りなのだ。
インカム越しに、播磨側の音がリアルタイムで伝わる。特に、西本がいるのかと嬉しそうに叫ぶ岡の声が。
「なるほど……よかったら、高野さんに代わって貰えないダスか?」
『あ? ……おう』
恐らくそのメンバーの中ではリーダーであろう高野と、情報交換を行なう。彼女達が信用できるかを確認する為だ。
『代わったわ。こちら高野よ』
「おお、高野さん。西本ダス。三人とも無事でよかったダス」
『……ええ、私達は、ね』
急に、高野のトーンが下がる。彼女のこのような声など、西本には全く聞き覚えがなかった。
余程辛い事があったのかもしれない。西本は、これから彼女が何を喋ってもいいよう覚悟を決めた。
『……西本君、あなた達がノートパソコンを持っていて、それに参加者の現在地が分かる機能がある事、さっき播磨君から聞いたわ』
「そうダスか……確かに、その通りダス」
『じゃあ西本君、今私達の近くに……それとも遠くかも知れないけど、二人組はいないかしら?』
「二人組……ああ、現在ホテルの丁度東の方の山に一組いるダスよ」
『……そう』
そう言って、インカムの向こうの高野は溜息をついた。……その二人が、一体何をしたのだろうか。
『……西本君、その二人は烏丸君と砺波さんよ。烏丸君は、砺波さんを無理矢理連れ回しているの』
「連れ回す……?」
『それだけじゃないわ。彼は昨日、私達と一緒に観音堂にいたの。そして昨日の夜、彼は大塚さんを殺したわ』
インカム越しに播磨の叫び声が続くその中で、西本は絶句した。大塚舞が、彼女が烏丸に殺されたというのか。
「……それは、確かに」
『ねえ、順子はどこにいるの!? 教えてもらってよ!』
割り込んできた雪野の切実な叫び声に、それが高野の嘘ではない事を西本は確信した。
背後からはなおも事実を問う播磨の声や、烏丸への怒りを叫ぶ岡の声が割り込んでくる。
『……そういう事なの。だから西本君、この一帯の詳細な状況を、伝えてくれないかしら』
トーンは低いが冷静な高野の声を聞き、西本は周辺の人の配置について詳細に伝えた。
烏丸が犯人。彼がそんな事をするような人物とは西本には想像も出来なかったがしかし、現実はこの通りだ。
あの無表情で、彼は大塚を殺したというのか。西本の中で、幼馴染だった大塚を殺された怒りが次第に湧き上がっていく。
もちろん、冷静さは保ったつもりだった。しかし確かな怒りは、彼女と共に時を過ごしたという高野達への情報提供を厭わせなかった。

「……と、言う訳ダス。烏丸君達より東には、もう誰も居ないダス」
『分かったわ。ありがとう、西本君』
「でも、高野さん達も一旦ワスらの場所まで来て欲しいダス。場所は、さっき言った通り」
『……そうね。正直、今の私達では砺波さんを助ける力はないわ』
高野へ確かに情報を伝えた西本だったが、かといって向こうの情報収集も忘れてはいなかった。
特に、烏丸の武装だ。彼は日本刀を持っており、大塚もそれで殺されたという事だった。
それに対し、銃器があるならともかく、高野達はそう重武装ではないようだ。
そんな状態で彼に挑むなど無謀であり、資材の充実したこちらに来て体勢を整えるべきなのだ。
大塚を殺してからは時間が経過しており、それでも砺波が生きている事から、烏丸がすぐに彼女に手を下す可能性が低いという事もある。
「……そうだ、播磨君にも一旦こっちに戻るようにお願いして貰っていいダスか?」
『ええ。……でも、あなたは戻るように言わないの?』
言いたい。だが、今の西本は感情が高ぶってしまっていた。この状態で果たして彼を冷静に止められるのか、自信がないのだ。
これまで冷静さを保とうとしていた西本だったが、その為に噛み殺してきた自らの感情の重さは計り知れない物があった。
失った悲しみ、殺した者への怒り……大塚を殺した者の存在を具体的に知った事で、否応にもそれが噴出していく。
ハリー・マッケンジーがそうであったように、西本もまた、高校生であったのだ。
その点高野の口が達者な事はよく知っているし、また口だけでなくその実力も本物だ。彼女になら、任せられると踏んだのだった。
それに、播磨が好きなのが天満だと分かった以上、今まで播磨が何かと烏丸に対し気に食わないという素振りを見せていたのも頷けた。
そんな彼が天満と仲が良かった烏丸が人殺しだと聞いて、怒らぬ筈がないのだ。まして、なおも天満の生存を信じようとする今の彼が。
天満を守る為に。元々気に食わなかったから。そういった理由で、彼が烏丸のもとへ向かわないとも限らないのだ。
「播磨君はお願いするダス。……じゃあ、途中で誰かに会う事はありえないダスが、気をつけて来て欲しいダス」
『分かったわ。そちらもね』
かくして通信を終えた西本だったが、そのすぐ傍でやり取りを見ていた沢近の表情も、暗い物があった。
「ねえ、西本君。烏丸君は……」
改めて込み上がってくる烏丸への怒りを押さえ、西本は沢近にこれまでの会話の内容を説明していった。
沢近は高野達と合流できる事を喜び、砺波の身を案じ、烏丸への怒りに震えた。
無法地帯ともいえるこの島で、殺す事なく女子を連れ回すことが何を意味するのか、予想できない訳ではないのだ。
しかし、彼が砺波を人質に取る可能性もあり、実際に彼とどう対峙するのか、西本の頭には浮かばなかった。
それだけに、彼は高野の到着を待ちわびた。自分以外に、冷静な思考を持つであろう彼女を。
それは、今まで彼一人で抱え続けてきた、頭脳面での負担の代償でもあった。

烏丸の存在は大きい物だと、通信中高野は感じていた。何せ彼が殺した(という事になっている)大塚と西本は、幼馴染なのだ。
大塚にその辺の話を振ると機嫌が悪くなる事は割と有名だったが、かといって憎み合っていた筈はないのだ。
事実、烏丸の事を伝え信用させた後、西本は僅かに語気を強め、通信直後に比べかなり様々な情報を提供してくれた。
彼がノートパソコンを持っている以上、その情報に偽りは無いはずだ。彼女は改めて、崩壊の駒として重宝する烏丸に感謝したくなっていた。
既に手元にある岡、雪野という駒も、高野の話の信憑性を高めるに十分な働きをした。ここまで連れて来てよかったとつくづく考える。
そして通信を終え、高野もまた岡、雪野、そして先ほど遭遇したばかりの播磨にこれまでの会話の内容を説明した。
その中でも特に播磨は、烏丸達がどこに居るのかの詳細を何度も聞いてきた。
彼が天満に思うところがあろう事は、高野も知っている事だ。その彼が、元々烏丸を良く思っていなかった事も。
恐らく播磨は西本が想定した通り、烏丸を倒そうと考えているのだろう。
そしてそれは、高野にとってこの上なく都合がいい事だった。
「播磨君、インカムは返すわ。……ごめんなさい、あなたの物なのに私が使って」
「あ? ……気にすんな、どうせ俺じゃ全部は覚えきれないからな。それより、烏丸の野郎は今どこに?」
「ここから東の山道よ。舗装されている訳じゃないけど、登山道に近い道があるから、そこを真っ直ぐ進めばいいわ」
実際に途中までは自分達が通ってきたから分かる事である。西本の地図情報によれば、烏丸は自分達とほぼ同じ道を進んで来ているようだった。
そこなら、播磨とて迷う事はないだろう。それに、いざとなったら彼はインカムで聞けばいいのだから。
結果的に播磨だけが別行動になってしまうが、西本にそれは止められない。播磨の話では、インカムは親機から子機への一方通行なのだ。
そして、いずれ遭遇した二人は潰し合う筈だ。どちらが勝とうとも、誰が残ろうとも、高野は最高の舞台を作る事ができる。
烏丸が勝てば、いずれ西本達へと接近するだろう。彼らの仲間だった播磨を討った烏丸に、西本達は最大限の迎撃を行なう事だろう。
播磨が勝っても、その先に誰も居ない事は念押しているのだからこちらに戻ってくる筈だ。それなら、その後で全てを壊せばいい。
そして……砺波が同行している以上否定できないのが、播磨が彼女や烏丸から事実を聞いてしまう事だ。
だが、それすら支障は無い。その前に西本達と合流し、彼らを懐柔しておけばいいのだ。少なくとも沢近なら簡単な事だろう。
そして複数対複数ともなれば、高野の最終目標に大きく前進する事になる。何せ地の利は自分達にあるのだから。
いずれにせよ、播磨を止める理由はないのだ。むしろ、それこそが更なる崩壊を加速させる。
「分かった。……じゃ、俺は行くぜ」
「高野さん、私達も順子を助けに行きましょう!」
背を見せ走り出した播磨を見た雪野は高野に哀願した。友人が近づいてきていると分かれば、当然の反応だ。
「でも雪野さん、私達じゃ彼には……烏丸君には勝てないわ。残念だけど」
そう言って、悔しそうな、そしてどこか怯えたような表情を作って見せれば……たちまち、雪野の表情もそれにつられる。
「……ごめんなさい、高野さん……」
そう、高野こそ大塚殺害現場の第一発見者、という事になっているのだ。その彼女だからこそ、言葉は説得力を持つ。
「それに、播磨君は昔は一人で大勢を相手に喧嘩した事が多かったんですって。私達が一緒だと、かえって邪魔になるわ」
「いや、そうかもしれないけどさ……大丈夫なのか、播磨で?」
岡は播磨を信用してはいなかったようだ。確かに不良としてのイメージが強く、こと男子では仲が良い友達が少ないのは事実だ。
「大丈夫よ。何だかんだで播磨君は砺波さんと席が隣同士だし。それに彼、結構優しい所があるのよ?」
思わせぶりに言ってみれば、反応するのは岡も雪野も同じだった。
この場から西本達までの距離はそう遠くないというのに、岡も雪野も急に張り切り始める。
高野はそれを適当にあしらいつつ、改めて播磨と烏丸の事を考える。
――天満の死が、二人に何をもたらすのか。ノートパソコンは、その結末を少しでも自分に教えてくれる事だろう。
かくして播磨の姿は見えなくなり、高野達は西本達のもとへと向かっていった。
高野に唯一誤算があるとすれば、播磨が砺波の顔さえ把握していなかった事、たったその程度のものだった。

【午後:15時〜16時】

【西本願司】
【現在地:E-03南部】
[状態]:激しい精神的消耗、肉体疲労&筋肉痛(多少回復)、烏丸に怒り、返り血にまみれている。
[道具]:支給品一式(水8,食料8)、携帯電話、山菜多数、毒草少々、ドラグノフ狙撃銃/弾数10発、東郷のメモ
      ノートパソコン(バッテリー付き) MS210C−BE(チェーンソー、燃料1/4消費) 鉄パイプ、インカム子機
[行動方針]:高野達を待つ。荷物を整理する。分校跡に向かう。仲間を集める。砺波を救い、烏丸を……
[備考]:反主催の意志は固いようです。烏丸が大塚を殺したと認識。盗聴器に気付いています。

【沢近愛理】
【現在地:E-03南部】
[状態]:精神不安定(やや回復)、返り血にまみれている。
[道具]:支給品一式(水2,食料5)、デザートイーグル/弾数:6発  
[行動方針]:晶と合流する。とりあえずは西本と行動を共にする。砺波が心配。
[備考]:播磨を信用しはじめている。今後の行動目的が今一定まっていません。烏丸が大塚を殺したと認識。盗聴器に気付いています。

※リアカーの周りには雑貨品(スコップ、バケツ、その他使えそうな物)と支給品×2


【播磨拳児】
【現在地:E-04北部】
[状態]:疲労、精神不安定、烏丸に激しい怒り、返り血にまみれている。
[道具]:支給品一式(食料5,水3)、インカム親機、黒曜石のナイフ3本、UCRB1(サバイバルナイフ)、山の植物図鑑(食用・毒・薬などの効能が記載)
[行動方針]:1.烏丸を倒す 2.天満を探す 3.絃子を詰問し、事と次第では……? 4.砺波(顔は分からない)を救出
[備考]:サングラスをかけ直しました。未だに吉田山が死んだとは思っていません。烏丸がゲームに乗っていると確信。
      天満の死を否定していますが、本当は気づいている(?)


【高野晶】
【現在位置:E-04北部】
[状態]:健康
[道具]:支給品一式(食料2)、薙刀、シグ・ザウエルP226(AT拳銃/残弾15発)、薙刀の鞘袋(蛇入り)
     雑誌(ヤングジンガマ)、ブラックジャック(岡の靴下でつくられた鈍器。臭い)
[行動方針] :雪野、岡を使えるなら利用し、その後殺す。パソコンに強い興味。
       沢近、西本を懐柔し状況次第で殺す。花井を最後の敵だと認識している。
[最終方針] :ゲームに乗る。全員を殺し、全てを忘れない。パーティー潜伏型。

【雪野美奈】
【現在位置:E-04北部】
[状態]:少し疲労。晶に依存気味、砺波が心配
[道具]:支給品一式(食料1)、工具セット(バール、木槌、他数種類の基本的な工具あり)
     雑誌(週刊少年ジンガマ)、ブラックジャック(岡の靴下でつくられた鈍器。脳震盪と嗅覚破壊のダブルパンチ)
[行動方針] : 高野の為に動き、行動をともにする。順子を助ける。この島から助かったら、全てを忘れる。

【岡樺樹】
【現在位置:E-04北部】
[状態]:打撲傷多数、健康、裸足にローファーの石田ファッション、烏丸に怒り
[道具]:支給品一式(食料0、水2)、鎖鎌、雑誌(怪楽天)
[行動方針] :「高野の心の支えになるのは俺だっ!」と素敵な勘違い中。
       雪野も守りたい。(下心満載) 順子を助ける。(下心満載)この島から助かったら、全てを忘れる。

【高野・雪野・岡共通方針:E-03の西本達のもとへ向かう】



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