心の動き
八雲は辛かった
人を殺して生きれるほど自分は強くないし、大切な人の死をこれだけ見てこころを保ってられる自信がないからだ
いや、こころはげんにさっき壊れてしまった…
私はこれからどうすればいいのだろう
死んで姉さんに会いに行くのもいいけど、そんな事をしたら花井先輩やサラに怒られてしまう…
何で花井先輩は私を自由にしてくれないの?何でサラは私に生きろと言うの?
私はもう疲れたのに… 木々のざわめきが隣にいる先輩の声を消してくれるのがありがたがった
だってこれ以上勝手な事を言われたら私には耐えられそうにないから…
こんにちは、三原です
こんな時に日記を書いている場合かと自分で思いますが書きます
そうしないと自分が壊れるかもしれないので…
麻生くんが私達に会った花井くん達を撃ちました
私は最初は信じられない気持ちでいっぱいでしたが今なら理由が分かります
大切な人が死にその大切な人の事を自分より知ってる人が見殺しにしたとしたら私も恨むでしょう
その恨みに麻生くんは耐えられなかっのだと思う
でも何があっても人を撃つのはいけない
そんな事をしたら罰せられるに決まってる
げんに八雲ちゃんがボウガンを撃った
これで麻生くんは罰せられたのだろう
じゃあ八雲ちゃんを罰する人はいるのだろうか?それ以前に罰せられるべきなのだろうか?
………
…あっ!八雲ちゃんがきたので日記はやめます、これが最後でないように…
泣くのに疲れて三原先輩のところに行くと何かを隠した気がするが私は気にしない事にした
もしそれが銃だとしても私は殺されるべき人間なのだから後悔はしないし…
そんな事を考えながら三原先輩のそばに行ったら、話かけられた
「これからどうする?」
……たった8文字だけれど私はそれに対しての答えに何百文字も要さなきゃいけない気がした
これからどうする?…
分からない…私は人を殺してしまったのだから生きる資格などすでにない人間だ
かといって死んだら花井先輩やサラにしかられる
生きていても死んでもダメなのだからどうすればいいのだろう?
私は逆に聞いてみることにした
「私は生きていていいと思いますか?」
三原は驚いた
まさか自分の質問に質問をぶつけられるとは思わなかったからだ
私は答えに詰まってしまった
花井くんやサラちゃんなら生きろと言うだろう
しかし私にはそんな無責任な事を言う勇気はなかった…
花井くんの気持ちを汲んでも麻生くんの気持ちを汲んでも裏切りになる気がした
この娘の答えは私では出せない…
自分で出してほしい…
だから私は助言しか言えない…
「私にはどうとも言えない…、でも花井くん達は何て思いながら死んだのだと思う?」
八雲はショックを受けた…
今まで会ってきた人は皆自分に優しい声をかけてくれたからだ
だからこの先輩も自分に優しい事を言ってくれるとこころのどっかで思っていた
なのに分からないと言われてしまった… この先輩は自分で答えを出せと言っているのだ…
花井先輩は生きろ… サラは生きろ… 姉さんも生きろ…と締め付けるなら私は当然生きなきゃいけない
でも生きようとしようとすると悪魔の声が聞こえてくる
―お前は人を殺したんだ死ぬべき人間だ死ね死ね死ね………―
私のこころはもう限界にきていた…
「八雲ちゃん!?」
三原は倒れた八雲を抱き上げた
「大丈夫!?」
自分の答えでこの娘を苦しめてしまったのに今気がついた
何で慰められなかったのだろう?
そんな自分が分からない…、自分は正しい事をしていたのだろうか?
とりあえず今はこの娘を休ませてあげよう、別に外傷もないし…
先輩が私を抱き寄せてる?そうか…私は倒れてしまったんだ
今は少し寝よう… 寝て起きたら答えが出ている気がする………
【現在位置:H-03】
【三原梢】
[状態]:左掌に銃創(応急処置済み)、極度の精神的疲労、この先を悲観、自己嫌悪
[道具]:支給品一式(食料2、水3) ベレッタM92(残弾9発) 9ミリ弾198発 エチケットブラシ(鏡付き)
[行動方針] :この場をどうにかしたいが…
[備考] :ハリーを警戒。結城が心配。
播磨が天王寺、吉田山を殺し刃物を所持していると思っています。
【塚本八雲】
[状態]:精神衰弱、疲労のため睡眠
[道具]:支給品一式*2(食料3、水6)、(弓矢20本、全てゴム。ただし弓はしっかりしてるので普通の矢があれば凶器) 、ドジビロンストラップ
壊れたボウガン(M-1600、現在一本装填) ボウガンの矢3本(サラのリュックの中) アクション12×50CF(双眼鏡)
[行動方針]:起きたらどうしよう…
[備考]:所持している荷物を天満の形見と認識。弓使用可だが精度に難あり。反主催までは思考の外
【午後:17〜18時】
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