危険察知
「糞ッ!何で俺がこんなこと…やっぱりアレか?シュウとかプレシアとかがまずかったのか?」
自分が散々殺してきたロワの架空のキャラたち。その気持ちが今になってわかった。
……怖い、死にたくない、つらい。
「ハハ……そんなのを俺は13人も殺ってたのか」
たかが架空のキャラ。それでも架空とはいえ、おかれている状況はまったく同じなのだ。
とにかく、怖がってる場合じゃあない。生き残る方法を探さねば。
「首輪を解析する力は無いがマサキのようにステルスマーダーになるのがベストか?
やはりマーダーは危険が多すぎるし…」
独り言を呟きながら思案するマーダー(仮名)。
彼の癖のひとつは独り言が多いことだから仕方ないが。
「そうだ!支給品!まずそれを確認しないと!」
今になって慌てて支給品袋を開ける。何かいいものが入っていることを祈って手を突っ込み、袋をかき回す。
入っていたものは…
「…?レーダーか…?」
直方体の形をした機械。取扱説明書を熟読する。そして起動。光点が3つともっている。中心は赤。
おそらくこれは自分だろう。
「あと2つは他の参加者…ッ!?」
独り言の途中、突然光点がひとつ消えた。おそらく…誰かが死亡した。
「チィッ!マーダーがこの辺にいるのか。逃げなくては…」
レーダーこそあるが、今の彼は戦闘力はそう無い。腕力などは人並み、確かに走る持久力はあるが、
それはただのスタミナだ。
相手はおそらく武器を持っている。そんな相手にぶつかれない。
「まずはクズを集めて…利用できなくなったら殺して武器を奪えばいい。あとはこのレーダーで一方的な
射撃で一人ずつ殺す。そして死体から武器をはがす…これしかないか…!?」
そのためにもここは生き残らねば。
彼は光点に背を向ける方向に走り出した。
【上のマーダー/A1/一日目1:00】
【荷物】レーダー
【状態】健康
【思考】1:クズと合流、利用
(【ルーキー/A1/一日目1:00】
【荷物】日本刀
【状態】殺しに酔っている
【思考】1:殺戮の限りを尽くす )
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