流れる血、滴る黄金水
「ハァーハァー、ハァーハァー」
薄暗闇に紛れて、森の中で膝を抱える男が一人。勉強男である。
彼は恐怖していた。目の前で溶けていった男の死に様と、自分の首にリアルに纏わりつく死への恐怖に。
男が死んだのは自分のせいだとわかってはいるが、悪いとかそういう感情を持つには彼の精神は幼すぎた。
がさごそと音が聞こえ、反射的に振り向く。
「よう、勉強」
「え?あ、あ・・・」
現れた男を見た勉強に驚愕が走る。
無論男の名は知らない。
だが、その眼には確かに殺意が宿っていた。
「やっと見つけたぜ、糞野郎・・・!」
狂ったような笑みを浮かべながら、男が勉強に歩み寄る。
「な、何だお前は!く、来るな!」
小便を垂れ流しそうなほど勉強は怯え、頭を抱え喚き散らす。
「怨念とやらに感謝しねえとな・・・!俺はお前が自分だと喚きたてた、盲文だ!」
叫びを上げながら勉強に襲い掛かる盲文。
―――だが。
「あ、あわわわあああああぁぁぁっ!」
勉強は自分に支給された武器―――ガトリングガンを乱射した。
奔る閃光。
同時に、盲文の全身から夥しいまでの鮮血が溢れる。
「がっ……ご!!」
叫びはもはや声にもならぬ。
恨めしげに勉強を見つめながら盲文はその意識を閉じた。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
荷物も何も放り捨て、ガトリングガンだけを持ち、小便を垂れ流しながら、勉強男は走った。
【勉強男/B5/一日目1:00】
【荷物】ガトリングガン(残弾40)
【状態】失禁。極度の恐怖。
【思考】1 死にたくない
【盲文作家@ジャンプ2nd 死亡】
【残り27人】
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