悩める少女
「どうしよう…どうしようかしら…どうしたら…」
ゲームが開始してからずっとPは海岸沿いの岩場に身を隠して悩み続けていた。
「生き残る確率が一番高いのはどのルート?優勝エンド?無理よ!私みたいな非力な女が優勝なんて!」
「なら脱出エンド?いやいや待って、原作ロワではリピーターの協力があればこそ首輪が外せたのよ。そんな人私たちの中にはいないでしょうし」
「なら全滅エンド?いやいやいやいや!全滅しちゃダメじゃない!」
「うぅ…どうしよう…どうしたら…」
こんな調子で小一時間ひたすら悩み続けていた。
「…よし!なら桐山君みたいにコイントスで決めましょ!表なら対主催、裏ならゲームに乗るわ!」
チィン!
サクッ
「……」
十円玉は、縦向きに砂に埋まった。
「……」
無言でコインを海に投げ捨てる。
「…あ!そうよ!支給品まだ見てなかったわ私!それがハズレアイテムなら仲間を探す、大量殺戮できるような当たりアイテムならそれを使って優勝目指す!これよ!」
ゴソゴソ
「……」
鉄の爪を手に入れた。
「…(微妙)」
「…つか私はアリーナかっ!?てゆうかもっと普通の武器入れなさいよ!なんでbyドラクエなのよ!」
即バッグに戻す。
「…自殺エンド…かなぁ…」
目の前に広がる海をぼんやり眺めながら小さくため息。
「…短い人生だったわね。怖い思いしたり痛い目にあって死んじゃうよりは潔く入水自殺した方が楽よね…」
諦めたような笑みを浮かべゆっくりと海中を目指し歩いていくP。膝下がどんどん海に浸かっていく。
ピッ、ピッ、ピッ…
「…ん?何のおt…く、首輪!禁止エリア!?」
小さな電子音が自分の首輪から出始めたのに気付き、ロワでの常識<脱出と見なされたら首輪が爆発>をとっさに思い出す。
「ち、ちょっと待って!!ボンッドサッコロコロはイヤ!!無し!今の無しっ!!」
あわてて陸に向け猛ダッシュ。するとようやく首輪の音は止まった。
「あ…危なかった…」
砂地に涙目で崩れ落ち胸をなで下ろす。
「…って!自殺エンドも却下なの!?完全に手詰まりじゃない!」
別にそんな事気にせずにさっさと氏ねばいいのに。という天からのツッコミもPの中では即却下。
「はぁ…」
深いため息をつき、再びPの迷い続ける時間が始まる。
【一日目/1:50/A1】
【P@ジャンプ】
【状態】健康
【荷物】荷物一式、鉄の爪@DQ
【思考】悩み中
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