定時放送 -カチュアの場合-






定時放送を聞きながら、カチュアはブロッケンに投げられた時のダメージを確認していた。
特に血は出ていないようだが、打ち付けた背中が痛む。
打撲しているのだろう。

「忌々しい・・・変態のくせに・・・」

整った顔が醜く歪む。
だが、今流れている定時放送がその痛みを忘れさせてくれた。
現在の死亡者は約10名。思ったより早い。この調子で敵が消えてくれればいいのだ。

「早くデニムのところに帰ってあげなきゃ・・・私は背負っているものが違うの。
ただ1人の家族のため・・・私欲で動いてる連中とは違うのよ」

カチュアの家族愛も、実は私欲でしかない。だが、そんなことを認めるはずがなかった。

ガシャッ。

何かが、足に当たった。
見るとそれは・・・デイパックだ。中にはサブマシンガンと予備のマガジンまで入っている。

「ほら・・・神も私に味方してくれるのよ・・・」

志村が落としたものと思われるサブマシンガンを拾い上げ、笑みを浮かべるカチュアだった。

【「タクティクスオウガ」 カチュア 鞭、サブマシンガン所持 生存】



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