仕事の時間
「タケちゃん!タ〜ケちゃん!」
「・・・うるせぇなこの野郎!人がいい気分で寝てるのに騒ぐんじゃねぇ!」
分校の職員室。ソファーで眠っていたたけしは、さんまに起こされていた。
「いやいやいや、違いまっせ、今度は真面目な話や」
「おまえ、適当な事言ったら首輪付けて吹っ飛ばすぞ」
「その前に、一つ思い出さないとタケちゃんが吹っ飛ぶことになるんやないか?」
「何?」
「そろそろ定時放送するんと違うんかいな?」
「あっ!・・・おまえが調子狂わすから忘れるんだろ!こいつめ!」
自分のミスをさんまに転嫁して殴りつけるたけし。
「痛い、痛い!まぁ、ワテも邪魔になってるとは思ったさかい、
詫びの代わりに定時放送用のジングルを用意したんや。このテープなんやけど」
「別にジングルなんかいらねぇよ」
「せっかく作ったんや〜、お願いやから使ってもらえへんかな〜」
「しょうがねぇな・・・おい、やす!放送室どっちだったっけ!?」
眠い目を擦りながら、たけしは立ち上がった。
第1回定時放送
「・・・で?今どれくらい死んでるんだ?ん?結構頑張ってるじゃねぇか」
「そうやな」
結局放送室について来たさんまである。
「先生、準備できました」
助手のやすひこが合図した。いよいよ定時放送一回目の開始である。
やや緊張した面持ちでたけしは機器のスイッチを入れた。
そしてさんま特製のジングルが流れて・・・流れて・・・流れて・・・来ない?
たけしが不思議そうにさんまの顔を見た瞬間。
『・・・あ・・・あん・・・もっと・・・あ・・・あぁ〜ん、気持ちいい・・・』
「さんま、てめぇこの野郎ー!!!」
「先生!マイク!マイク切るのが先ですー!音流れてますー!」
そこで放送は途切れたが、その音声が島中に流れ、耳にした者全てがコケたのは言うまでもない。
約1名を除いて、なのだが。
「アスカー!アスカー!アスカはどこでゴザルかー!!」
『戦国エース』代表、熱血金髪侍アイン。
妹探しで頭が一杯な上に男好きの彼には放送はまったく耳に入らないのだった。
【「戦国エース」 アイン 生存】
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