冒険者は余裕と共に






「貴様、何をやっている!」 武器支給の続く教室に兵士の怒声が響いた。

「あぁ、悪いね。靴紐がほどけていたものでね」

しゃがみ込んだまま返答したのは冒険者風の男。
ジャングルからそのまま連れて来られたかのような風貌だ。
彼の席は息絶えたチャールズ卿が横たわっている隣なのだが、
意に介していないようだった。

「あまり無断で行動するなよ、チャレンジャー君。次は君だ」
「あぁ、ちょっと待ってくれ・・・これでよし、と。・・・お待たせしたね、どうも」

紐を結びなおし、デイパックを受け取ると平然と出て行くチャレンジャー。
廊下に出ると、人気のないことを確認しトイレに入る。
個室に潜り込むと、デイパックを開けてみる。

「パンと地図か。案外親切だな、地図付きとは・・・。武器は・・・期待しなくて正解だったな」

長細い金属棒に、短い柄が横から伸びた武器。確かトンファーというものだ。
ナイフ投げを戦闘スタイルとする彼に使いこなせる自信はない。

「ま、切り札は確保させてもらったからね」

と、ブーツに隠した・・・教室で手に入れたあるものを叩くとトイレを後にし、
戦場へ向かって悠然と歩いていった。

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