あるるん






訳が…解らなかった…

本来なら「銀河縦断コンサートツアー」の次の会場へと向かうべく
超光速旅客機のシートで仮眠を取っていたはずなだが…

どうしたら…よいのだろうか…

彼女は一人、着のみ着のまま デイバッグ1つを抱え、密林の中を歩いていた。

いきなり歪む空間、目の前には好色そうな中年男、
デイバッグ1つを手渡され、「ゲーム」とかいうものに放り込まれたのだった。

「よくわかんないケド、これって何かのゲームなんだよね」

能天気に言い放った彼女の名は『神楽坂ユナ』
アイドルにして光の救世主…宇宙最強の“お嬢様”

【「銀河お嬢様伝説ユナ」神楽坂ユナ 参加 】

あてもなく森の中をうろつくユナ…分校を出てから、まだ誰とも出会ってはいない
「あーなんか、さみしくなってきちゃったよぉ」
他人に出会えば どのような事になるかは、まったく考えていない
まったくをもってお気楽極楽なノーテンキ娘である
「あ、そーだそーだ いちおーアイテムとか貰ったんだっけ…」
ユナが支給されたディバッグの口をあけると…
 − しゅぱっ −
 何かが勢い良く飛び出した。思わず尻餅をついてしまう
「あたたた…いったい何なのよ…」
その飛び出した“何か”は、一旦空高く舞い上がったか思うと目の前についと下りて来た
あっけにとられたユナの目の前で、その小さな青い影は一気にまくしたてた
「いったいどーしたって言うんですかっ! いきなり空間が歪んだかと思えば狭いところ押し込められて…イタズラにも程がありますよ!第一、ツアーはどーなるんですか……」
目の前にホバリングした状態で、延々と早口でまくしたてる、体長20cm ほどの青い妖精型のロボット…「エルナー」をユナの両手がわしっと掴んだ。
「ヘ〜え、アタシのアイテムってエルナーだったんだ
 どーせだったらエリナ(※1)かジーナ(※2)だったらよかったのに…(※3)」」
「なに言ってるんですっ 私はライト・マトリクス“英知のエルナー”
 あなたのマネージャーでもあるんです」
少なくとも「さみしい思い」だけはしなくてすみそうだった。

〔解説〕
※1 紫色の等身大アンドロイド、通称「空のエリナ」変形しユナと合体することで「フライトフォーム」になる
※2 エリナと同タイプ、通称「大地のジーナ」色は緑変形・合体で「ランドフォーム」になる ちなみに、赤い「海のマリナ」という水中担当もいる
※3 ユナ御付の4体のマトリクス(アンドロイド)の内、エルナーだけが戦闘能力を持たず  また、ユナとの合体能力も持たない

【「銀河お嬢様伝説ユナ」神楽坂ユナ アイテム「エルナー」入手 】



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