無題
一人の男が密林の中を走っていた。
男の前には一体の標的――腕をもがれながらも逃げ続ける謎の生物がいる。
自分に支給されたのは巨大なマシンガン。この手の武器なら使い慣れている。彼は幸運だった。
相手が何を持っていたのかは知らないが、どうやら敵は腕がもがれた事によってこっちには
攻撃できなくなったらしい――当然といえば当然のことだが。
もうそろそろ決着をつける、そう思った矢先、一帯に大きな音が響き渡った。
「この音は…サイレン?」
音が聞こえたほうを見ると、空中に何やら赤いランプを点灯させた物体が浮いている。
新たな敵か――思わず動きが止まる。こんな密林でのゲリラ戦では決して許されないミスである。
事実、前にいた標的がその隙を見逃さず飛び上がった。目標は――空に浮かぶ謎の機体。
慌てて相手に発砲しようとしたが遅かった。彼が最後に見たのは、
もげたはずの腕で対地兵器を振りかぶる敵の姿だった…。
【「ツインビー」 ツインビー 生存】
【「怒」 クラーク 死亡】
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