無題
「ミニマム(仮名)、お待たせ」
惨劇の場にルフィアがやってきた。
「・・・ミニマム(仮名)?」
ルフィアが眼にしたものは、血だまりの中に倒れ伏すミニマム(仮名)だった。
ルフィアは、冷たくなったミニマム(仮名)の体を強く揺する。
「どうして、どうしてっ!?」
記憶を失った自分に優しくしてくれたミニマム(仮名)。
ずっと昔から知っていたような気がするミニマム(仮名)。
かけがえのない存在になりつつあったミニマム(仮名)。
「・・・あは、あは、あははははは」
心にぽっかりと空いた空白に何かが満たされてゆく。
それは、彼女が本来持っていたモノ。
ミニマム(仮名)との平穏な日々では必要なかったモノ。
この狂気の島では、むしろ似つかわしいモノ。
「あははははははははははは」
平和な、ひとときの夢は終わった。
これから起こることが彼女の真実。
人とは思えぬ波動をまとい、ルフィア、否、殺戮の女神はその場を去った。
【「エストポリス伝記」 ルフィア 覚醒】
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