無題
アドルは一人森の中をさまよっていた。
幸いにも、彼の奥義「半キャラずらし」を破る相手にはまだ出会っていない。
だがそんなことよりもアドルの関心は一つだった。
「かわいい子いないかなあ?」
いままでこなしてきた数多くの冒険に比べれば、今の状況などぬるま湯につかっているようなものだ。
ただ、ヒロインがいないという事実が、アドルには我慢ならなかった。
「レア様ナイスバディだったなぁ」
「リリアはまた追っかけて来ないかなぁ」
「エレナもいい女になってるだろうなぁ」
「カーナまた無茶してるのかなぁ」
そんな取りとめも無い妄想が一人の危険な修羅を招き寄せていることに気づくわけもなく、アドルは森の中を歩き続けた。
【「イース」 アドル 移動中】
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