無題
「じつにあやしげなるところなり。」
検非違使は今のこの状況がいまいち良く掴めていなかった。
彼が生活している平安時代とは言葉遣いが違いすぎたからだ。
とりあえず彼は島じゅうを歩き回った。その道の途中には死体が何体も転がったりしていたが、
飢饉や何やらで日常的に死体を見ている彼にとってはどうと言う事もない。
「あはれ、いきとしいけるもののあはれさかな。」
彼はぐみの実を見つけた。そしてその美しさを味わい、一句詠むと、今度は舌でそれを味わった。
どるどるどる・・……
何やらおかしな音を彼は聞いた。ふとそちらの方を見ると、黄色くて丸い何者かが迫ってきていた。
「あな、あやしのものなり。」
彼はとっさに穴を掘った。かつて彼が天より降りてきたものと戦った時にそうしたように。
彼は穴掘りに関しては右に出るものが居ないほどの名人である。
その上、鉄製の改良の加えられた(といっても我々が普通に使っているものだが)ショベルを
持っていたため、あっという間に穴を掘り終えた。
彼はそのまま黄色い何かを待ち構えた。
どるどるどる・……・・どさっ。
黄色い何かは穴の中では身動きが取れないようだ。
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検非違使は、とりあえず、それを埋めた。
【「平安京エイリアン」検非違使 生存】
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