無題
栗田は夢を見ていた。
あれ?・・・ここどこだっけ・・・?なんだかいい匂いがするわ・・・。
なんだろう。この匂い・・・なんだか懐かしい・・・。
・・・フグ・・・?いいえ、違うわ・・・。
今、わたし何してるんだっけ?
・・・えっと、確か社員旅行でバスに乗ってて・・・
いつのまにか意識が・・・そして気づいたら
私の横で頭にライトを付けた冒険家がなぜか点滅していた・・・
そうだ、今、殺し合いの真っ最中なんだ。
・・・変な夢だわ。そう、夢。目を覚ませば、バスの中。
じゃ、目を覚まそうかな。
あんまり寝てると富井副部長にセクハラされちゃう。
せーの、おはようございますっ!
・・・あれ?・・・バスの中じゃ・・・ない?
「あぁ、目、醒めたかい?栗田さん。」
「山岡さん・・・。あれ?ここ、どこ?」
「・・・最初の地点の裏にあった家さ。
栗田さんが急に倒れたんで急いで運んだんだ。」
最初の地点?あれ、じゃあやっぱり、今は殺し合いの最中?
あぁ、そうだ。そうだった。
わたしの目の前で、探偵さんにナイフが刺さって・・・
それでビックリして気を失って・・・
「栗田さん、急に倒れるって事は血液が足りてないって事だ。
これ食って元気出してくれ。絶対2人で生き残ろう。」
え、ああ、さっきのいい匂いはこれだったのね。
「元気になる呪文を唱えてあげるよ。
アンキモ!アンキモ!アンキモ!」
「え・・・?なにを わけの わからないことを」
とりあえず食べてみよう。・・・あれ、なんだろう・・・
パサパサしてて味気無いわ・・・。
採ってから時間が立ちすぎてるのね・・・。
風味も落ちてしまっているし・・・
「山岡さん。このアンキモは・・・せっかくだけど。」
「何だって!せっかく海から取ってきたのに!クソッ!」
ボチャーン!アンコウをうみにすてました。
やまおかは、とつぜん、よのなかがイヤになってしまったようです
これでは いきのこりどころでは ありません
GAME OVER
【「美味しんぼ」山岡士郎 自暴自棄】
前話
目次
次話