無題
スペランカーが生き返り出ていった今、スタート地点には誰も残っていなかった。
開始早々に死んだ者たちを除いて。
それはスペランカーが出ていってからしばらくしてのことだった。
突然、死んだはずの男が立ち上がったのだ。
そして誰もいないこの場所で、男は1人語り始めた。
「ふふふ・・・私が何度【つかう→つるぎ→セルフ】を行ったと思うのだ。10000と17回だ!!
9500を超えた辺りからかな・・・わかったのだよ。胸のどのポイントを突けば、致命傷を避けられるのかがね!!
そう、生きているのだよ私は!!
決して貧弱なスペランカーのように運良く生き返ったのではなく、長年培った経験でこうして生きているのだよ!!
さて、戦場に赴く前に景気付けにあの歌を歌うとするか・・・
殴(や)れ! 刺(や)れ!
犯(や)れ! 殺(や)れ!
壊(や)っちまえ――――!!!
選ばれし者? 光の戦士? 救世主? 神の生まれ変わり?
そんなもの…クソ喰らえだ!
そんなものは見えやしね―――――!!
シャドウゲイトの主人公が言えることはただ一つ!!
私こそ、真の勇者だ――――――――――――――!!」
男はそう叫ぶと、刺さっていた胸の剣を引きぬき、戦場へと向かっていった。
【シャドウゲイト主人公 死亡→生存】
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