無題
ドンキーコングの亡骸を見下ろす老人。
「武器は…、樽以外は持っておらんようだな。
武器には相性というものがある。運が悪かったな猿の戦士よ」
老人は悲しむように目を伏せた。
と、彼は自分の足元に丸い影を見た。
不信に思い、上を見上げる。
なんとも形容しがたいピンクの丸い物体が空にぷかぷかと浮かんでいた。
そのシュールな姿に老人の思考は一瞬奪われた。
そしてそれが彼にとって決定的な隙を作った。
次の瞬間、ピンクの丸い物体は 膨大な質量を持つ岩に変化した。
老人めがけて垂直落下する岩
グシャアア!!
嫌な音とともに圧殺された老人の体は、ドンキーコングの亡骸の横に転がった。
そう、そのフィールドにはもう一人の戦士がいたのである。
ストーンコピーで擬態していた星のカービィ。
カービィはつぶらな瞳で2人の遺体を確認すると、
おもむろに老人のハンマーを吸い込んだ。
しばらく口をもぐもぐさせていたかと思うと 不思議なことが起こった。
何もない彼の手に吸い込んだはずのハンマーが現れたのである。
しかも彼の手にちょうど合う大きさで。
恐るべき消化吸収力、柔軟かつ多様な対応を可能とするコピー能力。
そして…
あらゆる状況にも動じないマイペースっぷり。
恐怖のピンクの物体は、二三度ハンマーを確かめるように素振りをすると
つぶらな瞳で次の獲物を探し始めた。
【「星のカービィ」 カービィ 生存(ハンマーコピー)】
【「ドンドコドン」 主人公 死亡】
前話
目次
次話