無題






おかしなことになったものだ…というのが俺の率直な感想だ
絶海の孤島で殺し合い…一体だれが何のために…?
そういえば最初の方で死んだ二人組みは、探偵とその助手だったらしい
同じ探偵として、彼らの魂が…もっとも、死後の世界なんていうものがあれば、の話だが、
安らかでいられるように祈るばかりだ
ここで俺にできることは、いかにこの状況を打破するか考える、ということだけだ
俺はタバコに火をつけた

…?おかしい、いつもの俺のタバコとは違うものだ…誰かがすり替えたのだろうか?
少なくとも、俺のものではない…
いつもは頭がさえるのだが、なんだか今度は頭にもやがかかったような気分になる
タバコにも相性というものがあるのだろうか、それとも、極限状態のため
精神が高揚しているためだろうか…
少し体を休めた方がいいかもしれない、軽く咳き込んだ後、
俺は木にもたれかかり、だんだん重くなってきた瞼を閉じた

数日後

「熊田先生、シアン化水素は薬品に反応させた青酸化合物に熱を加えると発生するんでしたよね」
「そうじゃよ」
「そうか、わかったぞ!タバコですよ!」
「なるほど!青酸入りのタバコに火をつけるとガスが発生する!それを吸い込んだものは…そうか!」

【「ファミコン探偵倶楽部」 犯人 生存】
【「探偵神宮寺三郎」 神宮寺 死亡】



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