無題






ヒーローは苦悩していた。
このような殺戮に何の意味があるのか?
まるでシャドウナイトの闘技場に居た頃を思い出すようだ。
無意味な殺戮劇に終止符を打つにはどうするべきか?
考えで頭が一敗な彼には、普段なら感付くであろう不穏な影も目に入らなかった。
「こいつ・・・・生き甲斐や幸せを噛み締めてるようには見えない。だが、用心に越した事は無いな。
何れ、この俺に弓引かないとは限らないからな。」
ザッ!!カインがヒーローの前に踊り出る。突然の出来事にヒーローは混乱する。
(クッ、此処まで近くに敵の侵入を許していたとは不覚!
目の前のコイツと戦うべきか?いや今は一人でも人手が欲しい!!)
「この戦いに意味があるのか?この忌まわしい殺戮劇に終止符を打つためにも、僕に協力してくれないか!」
ヒーロー必死の勧告。だが、狂人と化したカインに届くはずが無かった。
「ああ?聞こえねーな!この平和ボケした小僧がぁあああッ!!」
血塗りのスキーストックが、ヒーローの胸を貫いた。
(クッ・・・無念・・・)
「ひゃははははは!甘ちゃんに生きる資格なんざねーんだよ!!」
ヒーローが事切れた後も、カインはスキーストックを突き続けていた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
暫らくして腕を止めたカインは、ふとヒーローの所持品に目が行く。
「サンダースピアとはな。棚から牡丹餅、正にこの事か。」
雷神の槍を奪い取ると、カインは去って行った。

【ファイナルファンタジー4 カイン 武器スキーストック→サンダースピア】
【ファイナルファンタジー外伝聖剣伝説 ヒーロー 死亡】



前話   目次   次話