無題
とある森の中。
一見すると誰もいないが、この森には、
「忍」や「忍者」と呼ばれた者達がいた。
皆一様に気配を消し、お互いの姿は目視できない。
並みの人間では感知できないが、この森には確かに
複数の志を同じくした忍の者が存在していた。
彼らはじっと待っている。
このバカバカしいゲームを止める時期を。
彼らには鍛えられた肉体とそれを制御する鋼の精神力があった。
ゆえにゲームに乗せられて無益な争いをする事をよしとせず、
密かに同志を募り、主催者抹殺の機会をうかがっているのだ。
彼らは先程殺した「忍者」についての話をしているようだ。
「奴は同志に加えるに足りる者ではなかった…。」
「然り。格好が忍んでいない忍者など吐いて捨てるほどいたが…」
「奴は忍んでいないにも程がある。」
「ああ…あの風体、性格ではなにかの間違いで忍者になったとしか思えぬ。」
それからしばらく、常人には聞き取れぬ会話が続き、結局は
「さっきの奴は忍者というよりむしろ『ニンジャ』!」という事で幕を見たらしい。
ちょうどその時、彼らはいかにも新入社員然とした男が
近寄ってくる気配を感じ取った。
…ここまで来るのにあと5分と言ったところか。
彼らは各々散開し、その男が来るのをじっと待つ。
【その他、忍者カテゴリーな連中(詳細な数は不明) 生存】
【サムライスピリッツ アースクェイク 殺害済み】
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