無題
…ふと、周囲を見渡す。
彼に向かって投げつけられた武器、放たれたエモノ、
それら全てを彼は驚異的な回避力で全て避けきっていた。
気が付けば転がっているのは奴等の首。所詮、雑魚という事か。
「…やれやれ……でゴザル」
一糸纏わぬ姿で彼は呟く。彼に支給された鞄はまだ未開封、
だがしかし素手、というよりモロ出し状態の方が強いという事を、
彼に敵対した全ての者は知らなかった。
そう、彼の職業は忍者。己のイチモツを曝け出したその姿こそ最強の証。
一体何度、繰り出す手刀であの髭ジジイを粉砕した事か。
核撃すら物ともせぬ彼にしてみれば、他の奴等なぞ豚野郎も同然である。
「拙者に獲物なぞ無用でゴザルが…はて中には何が入っているのか…ニンニン」
ここにきて初めて、彼は手渡されたバッグを開けてみた。
確かに彼にしてみれば武器なぞ無用の長物に等しいが、ほしがたのものとなれば話は別だ。
だが、そこに油断があった。雑魚との戦闘、そして己の強さ。
これらが彼の野性的感を狂わせていた事に、彼は気付いていなかった。
そして────
おおっと テレポーター
* いしのなかにいる *
【『ウィザードリィ』ニンジャLv256死亡】
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