無題






当然との帰結というか無惨に屍を晒すスペランカー。

・・・なさけねえなあ、オイ。
そうつぶやきながら傍らに立つ男がいた。
彼の名はスペランカー。但し、あのひ弱なヤツよりも遙かに高性能な
アーケード版だ。段差から落ちたくらいでは死なないし、
エブリエクステンドもある。

・・・冒険者に墓標は必要なかろう。
そういって、屍を放置したままどこかに歩いていった。
冒険者とはいえ、基本的に戦闘向けではないスペック。
脱出を目指すしかないのは明白だ。
食料が尽きて暫く経つ。急がないと餓死は目前だ。
妙な模様の描かれたパネルの山を見つけた。だいぶ崩れているが・・・。
登ってみると下にダンジョンが見える。ここに入れば食料も見つかるだろう・・・
幸いファミコン版の軟弱野郎と違い、飛び降りてもライフが減るだけである。
ならば・・・・・・・地下ダンジョンへのダイブを試みた直後に大事なことを
思い出した。・・・今、餓死寸前だったことを。ダンジョンに潜る前に
ライフは尽き、さっき見た軟弱野郎と同じ姿をさらすことになるとは・・・

無念。
【『スペランカー(アーケード版)』スペランカー 死亡確認】



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