無題






「嫌だなぁ…早く帰りたいよ…向こうで何か気持ち悪い人たちがずっと喋ってるし…
早くどっか行ってくれないかなぁ…ん?ひっ、蛇!」

 ガサッ…

「ん?何じゃい今の音は?」
「おい、誰かおるんかい!」
「(あ、やば…)す、すいませんすいません!殺さないで!」

「おい、何じゃいこの貧弱なボーヤは」
「お前もこの訳の分からんお遊びに巻き込まれたんかい」
「は、はい…あれ?あの…首輪は?」
「ん?おお、あの首輪か。鬱陶しかったから無理矢理外してやったわい!」
「そうじゃそうじゃ、ワシラに首輪をつけてええんはイダテンの兄貴だけじゃい!」
「(嘘…)そ、そんなことして大丈夫なんですか?」
「まぁ、少し痛かったがの、あんなモンで死ぬようではメンズビームなど撃てんからのう!」
『ガッハッハッハッハッハ!』

「(す、すごい…でも、この人たちと一緒にいれば助かるかも!)あ、あの…ものは相談なんですが…」
「と・こ・ろ・で。オイ坊主!体は鍛えとらんのか!」
「は、はい?いや、僕疲れるの嫌いで…」
「な、なんじゃと〜!男、いや漢に生まれてきた以上、この鋼より硬くミロのビーナスより美しい
肉体に憧れるのは当然じゃろうが!」
「あ、あの…あまり引っ付かないで…臭いが…」
「くあ〜ッッ!貴様、どこまでこの『漢臭さ』を愚弄すれば…おいサムソン!」
「おうよ!この坊っちゃんに心ゆくまでワシラの体を堪能してもらうしかあるまい!」
「え、いや、あの…ぼ、ボクが悪かったから許し…ひぃぃぃぃぃぃぃ…!」
小一時間後…

「どうじゃい、この脾腹筋!今一度己が頬で感触を…む、おい!目を覚ませ!
まだ三分の一も終わっておらんのに脳内で遠くに旅立つな!」
「もういいだろう、アドン。こやつはおそらく分かってくれたさ…きっと、至福の中で逝ってくれただろう…」
「む、そうか…そうじゃ、兄貴を探さにゃならん」
「おお、そうじゃった。こんな、武器が支給されるようなお遊びに付き合っとる暇はないわい」
「うむ、ワシラの居場所はただ一つ!兄貴の胸の中だけじゃ!」
「そうじゃな…兄貴ィー!イダテンの兄貴ィー!」

【「超兄貴」アドン・サムソン 戦闘放棄?】
【「ラブクエスト」主人公 脳死】



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