負の力
「……だからー。この殿方たちとでも試してみようかなーって……」
……誰かの話し声が聞こえる。
……ああ
……俺達、やられたんだな……
………………
……わりぃ、つばさ。
……俺、もう駄目かも……
……真っ暗な世界。
………………
はは、俺、どうかしちまったんだろうな……
変なぬいぐるみまで夢に出てくるなんてな……
………………
……自分の責任だ自分のせいでアーヴィがアーヴィがアーヴィが……
……悪いのはぼくぼくぼくぼく、ちがうちがうおまえだおまえだ……
……やっちまえやっちまえやっちまえ、うらぎられたうらぎられたうらぎられた……
……でもちがうちがうちがう……
………………
……どす黒い負の感情……
……怒り……
……後悔……
……憎悪……
……ああ
……これか
つばさが殺されたとき
俺が化け物を倒した力は
………………
……醜い力だった
【桜井舞人・高町恭也、新撰組に運ばれる道中、舞人思う】
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