時空間漂着






ナナスは空を眺めながら今までのことを必死で考えていた、どうしてこんなことになったのだ?

ママトト城内、ママトトの軍師にして天才発明家のナナスは広間に自軍の主だった将を集めていた、
ざわめきが収まらない部屋の中を見渡してから、ナナスはおもむろに切り出す。
「イデヨンの秘密を盗んだ何者かがいます、おそらくアーヴィを連れ去ったのもその何者かでしょう」
そこでナナスは言葉を切る、いやそれ以上言葉が続かなかったのだ。
「ごめん…僕の責任だ…僕がこんなものを作ってしまったばっかりに…」
ナナスの目から大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちる。
「大将!自分を責めるんじゃねぇ、悪りぃのは大将の発明を悪用した奴だぜ!」
「そうよ!ナナス君は悪くなんか無いわ!」
「みんな…」
ナナスが呼び掛けに応じるかのように、顔を上げたその時だった。
ナナスの身体が白い光に包まれつつあった、これはアーヴィの時と同じ…。
緊急事態を察知したリックが、ミュラが、ヒーローがライセンがナナスの元へと駆け寄っていく
「みんな来ちゃ駄目だ、まきこまれてしま…」

その言葉を最後にナナスの意識は身体ごと光に包まれて途切れてしまった。
どこか遠くで自分を呼ぶ、仲間たちの声を聞きながら…。
そして気がつくと、自分はここにいた、おそらくあのとき自分の身体に触れていた、
リック、ミュラ、ライセン、ヒーロー、シェンナの5人は確実に巻きこまれているだろう、
彼らに次いで自分の近くにいた、エイベル、ラミカらといった面々も巻き込まれてしまった可能性がある。

「行かないと…」
ふらふらと立ちあがったナナスだったが激しい頭痛に見舞われ、そのまま突っ伏してしまう。
どうやら脳震盪を起こしてしまっているようだった。
「みんな…必ず助ける…から」
そしてまたナナスの意識は遠のいていく、今度もまた誰かの声が聞こえる、さっきと同じだなと思いながら。

【ナナス 所持品 なし@ママトト@(アリスソフト)】



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