零本志呂子の受難
バトルロワイヤル開催会場内にある巨大ショッピングモール。その一階にて、顔にボロ袋を被り、縄で二重に巻き付けている上半身裸の男、チェーンソーマジニと、まだ若い少女といえる年齢の女性によるおる追いかけっこが行われていた。
「ギャオォォォォォオ!!!」
奇声をあげ、青色の小型チェーンソーを派手に慣らしながら少女を切り刻もうと追うチェーンソーマジニ。
彼はこの会場に来ている、既に脱落した参加者である処刑マジニと同類の存在であり、処刑マジニと同じく体内に改良プラーガを寄生させている。
そのため、彼はプラーガによる強い破壊衝動、殺戮衝動を感じ、この会場にタイニーにより飛ばされて早々に出会った少女に衝動の矛先を向け、少女を殺そうと支給された小型チェーンソーをもち執拗に逃げる少女を追っていた。
「ついてくんじゃないよ!!くんなって畜生おぉぉ!!」
執拗に追ってくるチェーンソーマジニに叫ぶ少女、零本志呂子は、内心泣きそうになっていた。
彼女零本志呂子は、ゾンビ使いの変わり種。姫園リルカの配下のゾンビ使いの娘で、彼女自身もゾンビ召喚の才能は無いが、リルカに従っていた。
志呂子は彼の兄が開発した弾丸、「運命の弾丸」という、この弾丸で頭を撃たれた人間を強力なモンスターに変え、撃たれる時に視界に入っていた人間に刷り込み効果で忠誠心を植え込む恐るべき兵器と言える弾丸を量産し、街の一般人を無差別に撃ちまくり、姫園リルカが妹れい子との戦いで失った多くの戦力を補充するため、モンスターを量産していた。(初期の運命の弾丸はモンスターに変異する確率が極端に低く、殆どの人間は死んだが。)
その彼女こと零本志呂子がタイニー主催の殺し合いに参加させられ、このモールに飛ばされたとき、運悪くチェーンソーマジニと遭遇し、冒頭の追いかけっこ状態になっている。
会場に飛ばされて早速殺し合いに乗っている参加者との遭遇。運悪すぎでしょ!!…と我が身の不運を嘆きながら逃げる志呂子、なんとかバックは持つことができたが、後ろにチェーンソーをもった男が奇声を上げながら走ってくる状況では、満足に支給品の確認も出来ず、ただただ暗いモール内を逃げ回ることしか志呂子には出来なかった。
「ちきしょょょゎ!!」
「ギャオォォォォォオ!!」
志呂子には永遠に感じられた追いかけっこは、あっさりと幕を閉じた。
ザシュ!!
逃げ回る志呂子の背後に迫っていた男の足跡がとまり、何かがドサリ…と倒れる音、何かが転がる音がした。
何事かと背後を振り向いた志呂子は、その光景に固まってしまった。
志呂子を追っていた男の体が、頭がなくなった状態で床に倒れ、何度か痙攣していた。頭のなくなった首からドス黒い血が流れている。
その男の死体の横に、一人の男がたっていた。
ボロボロのコートを羽織り、身長2mはある顔にホッケーマスクをつけた異様な男が、手にでかい血まみれのナイフをもってたっていた。
みると隅の方にチェーンソーをもっていた男の頭が転がっていた。
どう考えてもこのホッケーマスクの大男がチェーンソー男の首を切ったと一目でわかる光景だった。
志呂子がその考えにいたったとき、彼女は脱兎のごとく大男から逃げ出した。どう考えても、見かけ的にも話の通じる人間には見えない。結果的には助けてもらったとはいえ、このホッケーマスクに話しかける勇気はもてなかった。
逃げる彼女を背後から見るホッケーマスクの大男、ジェイソンは特に何の感情も持たない瞳で見送った。この殺し合いに参加されられる前も、彼は様々な人間を殺してきた。最初の殺人には少なからず復讐などの正統的と言える理由等もあるが、今や一度ある少年に返り討ちにあい、死んだ後墓から蘇り、最早人間としてのカテゴリーから離れた今となっては殺人にどうのこうの感じてはいない。此処でもそれは変わらない。殺しては殺す。ただそれだけだ。……今のジェイソンは最早人間ではなかく、冷酷無比な殺人マシーンだ。
彼は支給された大型ナイフをもち、足元に転がる死体には目もくれず志呂子の走っていった方に歩き出した。ジェイソンは最初このモールの二階フロアに居たのだが、下から響く叫び声と奇声に引き寄せられ、一階にいた人間のうちの一人、チェーンソーマジニの首をナイフで切り飛ばした。
ジェイソンはそこで、なぜか自分の体が異様に素早く動ける事に気づいたが、何故かは深く考えず、そのままどこぞに歩いていった。
[1日日/深夜0〜2/西側ショッピングモール内]
[ジェイソン・ボーヒーズ@13日の金曜日シリーズ]
[状況]…………。
とりあえず殺す。
[所持品]力丸亜砂美のナイフ@サタニスター 基本的支給品
[備考]13日の金曜日part6以降からの参戦。不死身の肉体には制限なし。
[殺人・犯罪記録]
クリスタル・レイクキャンプ場付近の森に潜んでいる殺人鬼。13金シリーズの殆どにでていて、part6から墓から雷の直撃を受け蘇り、死なない不死の怪物になった。
前シリーズでは百人は殺している殺人のベテラン
力丸亜砂美のナイフ@サタニスター
殺人虐待体育教師力丸亜砂美の愛用のナイフ。力丸が全国の中・小学校で殺害した児童の怨霊がついており、使用者の戦闘力をあげる作用を持つ。
ジェイソンはこれにより肉体の俊敏性があがっている。
「…はぁ…はぁ…はぁ。」
ジェイソンから逃げ出した志呂子は、何とかモール内からでることができた。
「…もう…最悪。」
乱れた呼吸を落ち着かせ、できる限りモールから離れるため歩き出す。
(いきなり殺し合いに乗った参加者に出会ったのは不運だったけど、何とか助かったわ。…とりあえずリルカと合流しましょう。)
最初に参加者が集められたあの飾りつけられていた場所には、確かにリルカの姿があった、うまく合流したら生き残れる確率があがるだろう。
(リルカは正直色々むかつくけど、何気に強いからね。…持つべき者はコネクションね。)
零本志呂子はバックに入っていた支給品を確認。デコレーションされたサブマシンガンを当たりだと喜びながらもち、走り出す。果たして彼女はリルカに合流出きるのか。
[1日日/深夜0〜2/ショッピングモール外付近]
[零本志呂子@ゾンビ屋れい子]
[状況]疲れ気味、リルカと合流して生き残る。
[所持品]基本的支給品 デコレーションサブマシンガン@サタニスター
[備考]リルカとともに黒須市に潜伏していた時期からの参戦。
制限なし。
[殺人・犯罪記録]
志呂子の兄が開発した撃たれた時に見ていた人間に服従する強力なモンスターに変える弾丸、「運命の弾丸」をつかい一般人を射殺していた。(殆どの人間はモンスターにならず死亡した。)彼女的にはむかつく教師やクラスメートを撃ちたがっているようだ。
ジェイソンが離れ、モール内に置き去りにされたチェーンソーマジニの死体に異変が起こっていた。
頭が切り落とされた首から、気味の悪い音を立てながら何かが這いだしているのだ。
それはまるで巨大な昆虫で、外見的には蜘蛛に近い。
チェーンソーマジニの死体からはいだしてきた不気味な虫、完全に成長し、宿主の体の外でも生存が可能となった寄生生命体プラーガが、死にゆく宿主から出てきたのだ。
プラーガはモール内のどこかに消えていった。
[チェーンソーマジニ@バイオハザード5死亡]
【残り64人】
[成体プラーガ@バイオハザード5誕生]
小型の青いチェーンソー@デットライジング
チェーンソーマジニに支給されたジャグリング用のチェーンソー。持ち運びが手軽で武器としても優秀。
※チェーンソーマジニの死体の横に首と落ちています。
※モール内一階にチェーンソーマジニの頭のない死体があります。
※モール内のどこかに成体プラーガが徘徊しています。
デコレーションサブマシンガン@サタニスター
ニューヨークの連続銃殺魔、ブラックロリータの愛用サブマシンガン。様々な可愛いデコレーションを施されている。
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