妄想七つの大罪ロワ






汝ら、罪人なり

今から汝らに、試練を課す

これより汝らには、おのおのの罪に対応した札と武器を渡しとある島に行ってもらう

札の種類は七つ、すなわち嫉妬、憤怒、色欲、傲慢、怠惰、強欲、暴食なり

今より48時間の間に、七種類全ての札を集めよ

その試練を達成できた者は揃えた時点で、神の名に誓って本来いるべき場所に戻してやろう

しかし達成できなかった者は、期限が来ると同時に地獄へと旅立ってもらう

札を集める手段は問わぬ

暴力を尽くすもよし、策謀を巡らすもよし

罪人らしく手段を選ばず、思いつくがままの方法で札を揃えるがよい

我が今言えるのはこの程度だ

さあ行くがよい、罪人たちよ


◇ ◇ ◇


ビルが建ち並ぶ市街地。その真ん中に、一人の男が仁王立ちしている。
覆面とパンツだけを身につけた筋骨隆々の男が道路に立っている様子は変態にしか見えないが、実際変態だったりする。

「わけわからん……。なんで俺が罪人扱いされなきゃならないんだ……。
 俺は単に、世のもてない男たちのためにカップルを撲滅しようとしているだけなのに……」

変態、もといしっとマスクは、不満たらたらといった様子で愚痴をこぼしていた。
本気で自分がこのような催しに巻き込まれたことが納得いかないらしい。

「まあ、連れてこられちまったもんはしょうがねえ。ここは美人の姉ちゃんでも見つけて、愛を育みつつ二人で脱出といくか!」

さっきまでの不満はどこへやら、やけにポディティブな事を呟くしっとマスク。
彼は自分に都合のいい未来を思い描きなら、意気揚々と歩き出し……その数秒後、頭から血を吹き出して倒れた。

「まったく、こんな見晴らしのいい場所で警戒もせず大声出すなんて……。馬鹿じゃねえの?
 もうとっくに試練とやらは始まってるんだぜ?」

そんな台詞をこぼしつつ物陰から姿を現したのは、狙撃銃を手にした長髪の少年だった。
彼の名はエンヴィー。錬金術によって生み出された人造人間・「ホムンクルス」が一体である。
エンヴィーは他者の目を警戒して頭を撃ち抜かれたしっとマスクの亡骸を物陰まで運ぶと、さっそく彼の荷物をあさり始める。

「ひゅう、こいつ弱っちいくせに当たりだね。嫉妬、憤怒、色欲、三枚も札を持ってやがった。
 嫉妬は俺のとかぶってるけど……まあいいや。ラストやグラトニーも連れてこられてるみたいだし、多めに集めておいて損はないだろ」

エンヴィーはためらうことなく、しっとマスクの札と支給品を自分に支給されたカバンに移し替えていく。
やがて作業が終わると、彼は不敵な笑みを浮かべながら立ち上がった。

「さてと……。それじゃあ行きますか。あんまり長々と付き合ってるわけにもいかないけど、せっかくお呼ばれしたんだからある程度は楽しまないとね」

こうして一人の悪鬼は、この試練を楽しむべく行動を開始したのであった。


【しっとマスク@突撃!パッパラ隊 死亡】


【エンヴィー@鋼の錬金術師】
【状態】健康
【装備】狙撃銃
【道具】支給品一式×2、不明支給品
【札】嫉妬×2、憤怒、色欲
【思考】
基本:「試練」から脱出して、お父様の元に帰る
1:他のホムンクルスと合流する
2:適度にこの「試練」を楽しむ



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