妄想学習漫画ロワ
「デキッコナイス!!この殺し合いの首謀者をどうにかしてここから脱出するなんてデキッコナイス!!」
デキッコナイスは虚ろな目で虚空を見つめながら、狂った犬のようにわめきちらす。
「そんなことないわ!!」
その外人の前に立ちはだかるのは、満身創痍としか言い様のない有り様の少女。
右目は潰れ、左手は手首から削ぎ落とされ、ただの布切れとなった服はもはやその機能を満たしていない。
トレードマークのツインテールも片方はほどけている。
しかし、少女――あやめは、ずっと自分に言い聞かせていた。
科学を愛する心だけは、決して折れていないと。
「私たちには不可能なんてないのよ!!たとえどんなに困難に見えることであっても、実現の可能性が少しでもあるなら諦める理由なんかない!!
信じてさえいれば道は開けるのよ!!私は……ヤっ太さんに、そう教わった」
ヤっ太。ともに過ごした時間は僅かだったが、あやめにかけがえのない勇気を与えてくれた存在。
今はもういない、大切な友人。そして、あやめの一番大切な人。
しかしあやめの言葉を聞いたデキッコナイスは、目の色を変えてあやめに詰め寄る。
「そのヤっ太も死んだ!!死んでしまった!!
ヤっ太にさえもやれなかったことが、僕たちにデキッコナイス!!
ブードンもけつろん和尚もみんな死んだ!!僕だけが生き残るなんて、そんなことデキッコナイス!!」
「いやいや、それはどうかな?」
突如聞こえた第三者の声に、二人は驚いて振り替える。
そこにいたのは、髪型はツインテールで変な仮面を被って魔法少女な格好をした釘宮声の青年だった。
「どうも。わたくし、パロロワの専門家の羽呂炉和太郎です」
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