お題・自分の出したいマイナーキャラロワ3
―それぞれの名が命じるままに
―ただそれぞれの本能のままに
―各々の役割を演じる
―これまでも、そしてこれからも
―場所を越え、時を越え、そして舞台を越えても
―それが彼らが生まれた理由なのだから
「そろそろ行こうかしら…」
「あれ、おばさん、もう出陣するの?まだお父様の話は終わってないでしょ」
「別にいいじゃない。ただ殺せばいいだけでしょ?人柱もいないし気楽なもんよ」
「食べちゃだめなのー?」
「まだ我慢しなさい、その内嫌というほど食べれるから」
「しかし…ただ殺せばいいというのは少し語弊がありますよ、ラスト」
「別にいいじゃない。どうせお父様の計画に損傷はないでしょ。……それとも貴方には別の指令が出てるのかしら、プライド?」
「お腹すいたーお腹すいたー」
「Zzz………」
「…まったく、どいつもこいつも仕事サボってばかり。な〜んも変わってねぇな」
「まったくだ」
「…で、そーいうあんたはどーする気なんだ、キング・ブラッドレイ?」
「ラース、そう呼んでくれ。ここでは数多い兄弟の一人、ただのホムンクルスだ」
「ふーん、ラース、ね………」
「グリード、だったか?」
「…?ああ」
「どうしてここに来た?話では一番参加しないだろうと思われていたようだが?」
「生き残りたい、大切な人も守りたい、危険人部をどうにかしたい、脱出したい、エトセトラ、エトセトラ……」
「………」
「ここじゃあっちより強欲の奴らばかりだ。ないものねだりばかりして、欲しい物ばかり!いいねぇ、強欲!欲に制限なんてねぇもんだぜ?」
「…その口ぶりではどうも積極的には狩に回らないようだが?」
「前々から親父殿には不満があったわけよ、俺としては。ここらで一泡吹かせようかな、てな……!」
「………そうか」
「さぁ、時間よ。そろそろ行きましょ」
「お腹すいたー」
「念のため確認しておきますが、私達はいわば、ジョーカー。舞台の促進であることを忘れずに行動してください」
「醜態をさらすな…ってか?わかってるよ、プライド。そんな眼で見んなって〜♪」
「………め ん ど く せ ぇ ー 」
「さぁて、行こうぜ、『兄弟』さん」
「………うむ」
さぁ、役者は整った。
全てを手に入れ、死の螺旋に憤怒しろ。
舞台を血で染め、混乱を加速させろ。人間を絶望に叩き込め。
復讐に人を狂わせ、大地を悲しみの涙で濡らせ。
舞台の幕を上げよう。開幕の合図がどこか遠くで響き渡った。
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