お題・→のキャラで1レスの話を作る3







「間に合え、間に合ってくれ……!」

パソコンを見つめながら、6/は呟く。すでに首輪が警告音を発し始めてから、十秒以上が経過している。
一刻も早く首輪が外れなければ、自分も仲間たちもおしまいだ。だが、6/にできることはもう何もない。
今は長門が残したハッキングプログラムが成功し、首輪を無力化するのを待つしかないのだ。

「あと5秒です!」

みゆきのせっぱ詰まった声が、室内に響く。次の瞬間、彼女の首輪が音を立てて床に落ちた。
彼女だけではない。6/も、タケシも、慎二も、ルイージも、皆その首に巻き付いていた忌まわしき首輪が外れている。

「やった……。やったぞ!」

喜びの叫び声をあげながら、慎二はみゆきの手を握る。

「ありがとう、みゆきさん! 君が俺たちをここまで引っ張ってきてくれたおかげだよ!」
「いえ、私などたいしたことは……。むしろ6/さんのほうが、何度も命を張って私たちを救ってくれたわけですし……」
「いや、俺はたいしたことはしてないさ。死んでいったみんなの助けがなければ、俺なんて……」
「しんみりするのはまだ早いぜ、6/さん! これから主催者のところに乗り込んで、一発ぶちかましてやらなきゃいけないんだからな!」
「そうだな、タケシ。よし、行こうぜ!」

一気に意気が上がる一同。だがそこへ、窓ガラスを突き破って何かが飛び込んできた。

「え……?」
「みんな危ない!」

他の人間がそれを手榴弾だと認識する前に、ルイージはその前に立ちはだかる。
その直後爆発が巻き起こり、ルイージの体を飲み込んだ。

「ルイージさぁぁぁぁん!!」

みゆきの悲痛な叫びが上がる。だがそれは、部屋に飛び込んできた男が放つマシンガンの銃声にかき消された。

「お前は……北川!」

男の顔を見て、慎二は叫ぶ。

「半日振りだな、慎二。俺に襲われてぎゃーぎゃー泣いてたお前が、よくここまで生き残れたもんだ」
「くっ……!」

北川の言葉に、慎二は顔をしかめる。

「首輪を解除してくれて、どうもありがとう。まあどうせ俺は優勝するつもりだったから、あまり関係ないけどな」

淡々と呟くと、北川は再びマシンガンを乱射する。

「ちくしょう、ここまで来て……!」

本棚の陰に隠れて弾丸をやり過ごしながら、タケシが悔しげに呟く。

「みんな、ここは僕に任せろ! 僕がこいつを足止めしている間に、みんなは表にある車で逃げるんだ!」

この危機に、そう叫んだのは慎二。

「バカを言え、慎二!」
「あなた一人を置いていくわけにはいきません!」

6/やみゆきが、慎二を説得する。だが、慎二の決意は変わらない。

「ルイージさんがやられた今、一番戦えるのは僕だ! ここは僕しかいないんだ!」
「……くそっ、死ぬんじゃねえぞ!」

血が出そうなくらいに歯を食いしばりながら、6/は部屋を出る。タケシとみゆきも、断腸の思いでそれに続いた。

「逃がすか!」

立ち去る三人に銃口を向ける北川。だが彼が引き金を引くより早く、慎二の蹴りが北川に命中する。

「くそっ……。あの時のヘタレが、ずいぶん立派になったもんだな。なあ、慎二!」
「確かに僕は、情けなくてどうしようもない奴だった……。けどこの命は、衛宮に守ってもらった命だ!
 情けない死に方なんかしたら、あの世であいつに合わせる顔がない!」

慎二が手にするのは、干将と莫耶の二本の剣。彼をかばって命を落とした友人・衛宮士郎が愛用していたものだ。

(見ていてくれ、衛宮。僕も、君のような男になってみせる!)

気合いの雄叫びをあげながら、慎二は決死の戦いに臨む。

【ルイージ@スーパーマリオシリーズ 死亡】



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