無題






涼宮ハルヒは憤慨していた。

「冗談じゃないわ!せっかく外した首輪がまたはめられてるじゃない!
 案の定、神人とかいうのも出せなくなってるし…。
 覚えてなさい、丸ピエロ!絶対にもう一度首輪を外して、あんたを八つ裂きにしてやるんだから!
 神を侮辱した罰、とくと味わわせてやるわ!けひゃひゃけひゃ!」

苛立ちをためらいなく吐き出すハルヒ。それがよかったのか、徐々に彼女の頭は冷静になっていく。

「さて、まずは神の軍団を再結成しなくちゃね。古泉や永琳も来てるのかしら。」

デイパックから名簿を取り出し、眺めるハルヒ。

「古泉ネームレス? 古泉の親戚かしら…。まあ同じ超能力者だとしたら、部下にしてあげなくもないわね。
 でも古泉本人はいないか。永琳もデーモンもいない。まったく、何やってるのよあいつらは。
 神である私がこんな目に遭ってるんだから、その下僕たちも同じ苦しみを味わうべきじゃないの?」

自分勝手な理論を展開し、ハルヒは一人苛立ちを募らせる。

「しょうがないわね。私自ら新しい下僕を見つけに行きますか。
 役に立ちそうにないやつは、容赦なく虐殺よ!けひゃひゃひゃひゃ!!」

支給品としてデイパックに入っていたウージーを手に、ハルヒは活動を開始した。


数分後、ハルヒはアホ毛を揺らして歩く一人の少女を見つけた。

(あれはたしか、泉こなた…。名簿に名前も載ってたし、間違いないわね。
 たしかあいつには特別な力はなかったはず。下僕にしてやっても役に立ちそうにないわ。
 それに、神であるこの私に声が似てるってのも気に入らない。神は唯一無二の存在でなくちゃいけないのに!
 よし、死刑決定!)

ためらうことなく、ハルヒはこなたに向けて引き金を引く。
銃弾がこなたの体にめり込み、彼女は血しぶきを上げて倒れた。
「けひゃひゃ、ちょろいもんね。」

優越感に浸り、壊れた笑みを浮かべるハルヒ。しかし…。

「あー、びっくりした。」

こなたは、何事もなかったかのように立ち上がった。

「え…?」
「問答無用で殺しに来たってことは、アニロワのハルヒじゃないね?君が噂の神(笑)かあ。」
「だ、誰が神(笑)よ!私はれっきとした神!この世のすべてを司る神なのよ!」
「私、そういうの好きじゃないんだよねえ。ネタが本来のキャラクターを追い越しちゃってるやつって。
 だから…殺しちゃうね。」

淡々とした口調で語ると、こなた…否、地球破壊爆弾は、両手にソードカトラスを投影する。
そしてそれを、ハルヒに向かって躊躇なく撃った。

「ああああああああ!!」

悲鳴を上げながら、ハルヒは倒れる。その両脚は銃弾に射抜かれ、鮮血に染まっていた。

「この無礼者があああああ!!誰を撃っている!私は神だ!神なんだああああ!!」

わめき散らしながら、ウージーを乱射するハルヒ。しかしいくら弾丸が当たっても、地球破壊爆弾は平然としている。

「何なのよ、何なのよあんた!」
「ただの孤城の主ですが、何か?」

うっすらと笑みさえ浮かべながら、地球破壊爆弾は再び引き金を引く。
銃弾は、今度はハルヒの両肩を貫いた。

「いやあああああ!!痛い、痛い!なんでこんなことになってるのよ!私は神なのよ!
 古泉!永琳!デーモン!誰でもいいから助けに来なさいよ!」
「今の君に、助かる価値なんてないよ。」

銃口が、ハルヒの額に押し当てられる。

「た…助けて、キョン…。」

銃声が、響いた。

「さて、それじゃあ本格的にマーダー始めますか。今回はクーちゃんがいないから、対主催やる義理もないしね。
戦記の時みたいに他のネタを投下しにくい雰囲気になってもあれだから、さっさと人数減らしてさくっと終わらせようっと。」

何事もなかったかのような緩い表情で呟くと、地球破壊爆弾は軽快な足取りで歩き出した。

【涼宮ハルヒ@ニコロワ 死亡】

【地球破壊爆弾No.V-7@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康(ダメージはハルヒの血を吸って回復)、服がボロボロ
【装備】:ウージー(残弾50%)@現実
【道具】:支給品一式×2、不明支給品×1〜5
【思考】:
1:マーダーとして積極的に人数を減らし、このロワを早く終わらせる。
2:キャラ崩壊をしている参加者は、優先的に殺す。



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