無題
「>>やおいはいないようだな」
名簿を眺めながら金ぴかの男は呟く。
そのまま名簿をしまう男の姿は冷静であった。
内心はマスターが参加していないことによる安堵で飛び跳ねそうだったのだが、
それを表に出す事は決してない。
「これなら心置きなく雑種どもを殲滅する事が出来る」
金ぴかの男―――ギルガメッシュは、行動方針を決定してすぐさま、支給品を調べる事にした。
不愉快な事に彼の財宝は全て没収されていたのだ。
だがその不愉快もすぐに消えることとなる。
デイパックに入っていたのは、
王の財宝。
乖離剣エア。
天の鎖。
そう、彼の本来の持ち物。
主催がどういった目的でこれを彼に支給したかは分からない。
しかしそんな事はギルガメッシュには関係がない。
これで万全になったというだけの事。
「我の優勝でこのロワを終わらせてやろう」
そしてギルガメッシュは歩いていると早速弱そうな獲物を見つけた。
―――――
スペランカーは、いつも以上に鳴り響く警告音に咄嗟にあたりを見回す。
しかし見る限り、周囲には誰も居なかった。
いや、遠くに微かに金色に光る何かが見える。
あれほど離れているのに鳴る警告音に、スペランカーはこれまでになく警戒をする。
そしてマシンガンを手に持ち、躊躇もなく引き金を引いた。
―――――
ズガガガガガ。
何かを引き裂く音がしてギルガメッシュは足を止める。
いや、勝手に止まったのだ。
異変に思ったギルガメッシュはふと足元を見ると、足が消滅しかかっていた。
音と共に次々に消えていく体。
気付いた時にはもう取り返しのつかないほど体がなくなっていた。
「貴様、よもやそこまで―――ガッ!」
断末魔の声と共にギルガメッシュは消える。
―――――
「ふぅ、危なかった。こんな所に上級ゴーストがいるとは」
貧弱と見られるスペランカーだが、彼には一つの特殊能力があった。
それは『ゴーストを消滅させる事』。
英霊といえど霊の一種。スペランカーと出会った事がギルガメッシュの不運であった。
【スペランカー@カオスロワ】
【状態】:健康
【装備】:マシンガン@スペランカー
【道具】:支給品一式、不明支給品×1〜2
【思考】:
1:不明
【ギルガメッシュ@カオスロワ 死亡確認】
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