無題






にいむら・マナーの高校生連合は移動を再開し、探知機を頼りに彗夜を捜索
していたが、なかなか発見には至らなかった。
「……駄目だ、ここにもいない」
意外な程の難航にマナーは溜息を付く。番号入力を何回やっても反応しない
為、『もう死んでしまったのか?』という考えが心の中をよぎったが直ぐに消
えた。
「あんな重要なコテがすぐ死ぬはずないよな」

話数が多いコテ。
人気作を書いたコテ。
問題を起こしたコテ。
今も顔を出したりしているコテ。

コテロワの法則として、この条件が合えば合うほど活躍し、序盤における
死の危険性から遠のく。
逆に言うと序盤死にやすいのは、上の四つのどれも満たしていないコテになる。
それはにいむらの殺した四人を見れば明らかだ。
情報が少ないコテはキャラ立ちが難しい故の悲劇だろう。
「今回は参加人数も多いし。彗夜はまだ安全だな」
と、結論付けた。
そのまま移動を続ける内にコテロワの法則を考えて気になったのか、
ふとマークしている参加者の番号を打っていく。数回打ち込んだその時、
マナーの足が止まった。
それに気付いたにいむらが問う。
「どうした?」
「……彗夜と合流する前に、潰さなきゃいけない大物がきやがった」
マナーの真剣な表情に、にいむらの顔も引き締まる。
「誰だよ、そいつは」
一呼吸置いた後、返事がきた。
「……挽歌だよ。名無したちの挽歌」

執筆話数2位。
代表作 最後のことば、真空。
感想スレに毎回顔を出し、矛盾合わせや時間調整等を進んでやった
後半のハカロワコテのリーダー。
あのキャラ立ちさせるのに最適な独特な口調。
絵も上手く、今も現役。

まさに主人公となる人。
だからこそ、芽を摘みとる。

【にいむらたくみとマナー、挽歌を発見する】



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