命のカード






「い、命さんっ!」
「命さん……ここでしたか」
独活大樹とJOYH-TVが、息を切らせて駆け寄る。

二人の向かう先に湖があった。
湖畔の大岩の上で、一人の男が空を見つめていた。
その名は、命。
後に判明したコテであり、最大話数を誇る男。
後付けコテの中で、リーダーシップを張る男であった。

本人にその気があったかどうかは、分からない。
だが、ここに来て集められた一室の中で、目ざとく彼の能力を見抜いた花と名無したんにより、リーダーに
祭り上げられていた。
ないしょやALFO、独活大樹、JOYH-TVたちに、反対する要素は何もないので、自然な成り行きだった。

「……お前らか」
物憂げに二人を見た命は、カードの束を持った手を差し出した。
大きさの不ぞろいな、奇妙なカードの束であった。
「これは?」
「なんです、これ?」
「……いいから、一枚引け」
口々に疑問を投げかける二人に、命は面倒くさそうに命令した。

「……独活。それにJOYH」
「はい!」
「なんですか命さん!」
「……お前らのカードは、俺の萌えキャラか?」
二人は顔を見合わせて、己のカードを見たあと、互いに相手のカードを見、そして笑った。
「あっはっは、俺のカードは高槻です」
「はは、俺なんか凸ですよ!」

 ぱららららららら



「……馬鹿野郎どもめ」
命はボソリと言って、独活大樹とJOYH-TVの荷物を漁り始めた。
ピコピコハンマーとくまのぬいぐるみだった。
「……ちっ。しょせん雑魚どもだ、使えねえな」
食料だけ奪い、他は残していくことにした。

「……花と名無したん。お前のサブマシンガンだけは、拾いものだったぜ?」
命の座っていた岩の、丁度反対側に呼びかける。返事は無い。
花と名無したんの、死体があるだけだった。

「……口だけの連中なんざ、必要無え。俺は俺の仕事をして、生き残ってやるぜ?」

【花と名無したん 死亡(サブマシンガンは命へ)】
【独活大樹 死亡(ピコピコハンマー放置)】
【JOYH-TV 死亡(くまのぬいぐるみ放置)】
【残り34人】


【命 葉鍵キャラカード・サブマシンガン所持】



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