Little sleeper






崖から落ち、リアカーに揺られ死の境をさまよっている蒼天の雨作者こといつか。
三途の川ことRiverとはぐれてしまった彼は今――。

劇的に生き倒れていた。

百貨店7階。心持ちひんやりな空調の風に嬲られながらぴくりとも動かない。

このままいつか死亡、でもおもしろい気がしたが、三途の川との距離が離れたので取り敢えずは生きている。

「……気持ち悪ぃ……」

ぽつりと呟くと、そのままごろんと仰向けになる。
崖にしがみつき続け、リアカーで激しくシェイクされた身体が休息を欲している。
それに逆らってまで動こうとする気力が沸かなかった。
Riverはどうせすぐにやって来るだろう。数分の仮眠でも、取らないよりはマシだ……多分。
合流後の過酷な日々のためにも、いつかはひとまず眠ることに決めた。
無防備な姿を晒すのは危険かとも思ったが、構うことはない。
どうせ今、マーダーがやって来てもこんな身体では何も出来ないのだ。
半ば投げやりになりながら、いつかは目を閉じた。

そして。
疲労困憊していた彼は、すぐ近くの階段口から
こちらの様子をそっと伺う人影がいることには、当然気づかなかった。



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