死を悼む詩歌を詠う者
島の東端の海岸から夜明けを眺めつつ、国崎往人の定時放送を聞く。
ハカロワコテにしかなせない技ですね。
嬉しくも何ともないですけど。
しかし、開始から6時間で4人ですか……数人は「ゲームに乗った」ってことですか。
甘い話ですね。「マーダーは最後まで生き残れない」という「ロワの不文律」を忘れちゃったんでしょうか。
まあ、ロワのお約束通り進んでくれるとも思ってないですけどね。
さて……先延ばしにしてきたけど、そろそろ自分も覚悟を決めましょうか。
どういうスタイルで参加するか。出来れば、縁起を担ぐ意味でも、マーダーにはなりたくないもんですけど。
とりあえず武器を見てから決めましょうか。鍋の蓋ならヒロイン役、毒薬なら灯台で内輪もめ、
ショットガンなら主役をサポートした挙げ句エンディング直前で死亡、と。
* * *
……さて、これはどう解釈するべきか。いや、理解してはいますけど。ただ、納得してないだけなんですけど。
重い物体。分厚い本。偽典。反射兵器。
ハカロワでも物議を醸しだしたそれが、鞄の中に鎮座してるのを見て、いったいどう反応すればいいんでしょう。
この分だと、桜井あさひトレカ入りバインダーとか先行者とか(・∀・)仮面とか持ってる人がいてもおかしくないですね。
流石に自分は「力」なんて持ってないから、少年と同じ運命を辿ることはないでしょうけど。
まあ、とりあえずは何枚かページを破って、服の内側に仕込んでおきますか。
原作通りのモノだったら、簡易防弾チョッキくらいにはなるでしょうし。
さて、と。どうしましょうか。こういう武器じゃ、マーダーやってもすぐ殺されちゃいそうですね。
とりあえず、マーダー反対派ってことにしときましょうか。
となると、今出来ることは……基本としては、市街地に出向いてアイテム探しですかね。
あとは、主宰の本営を調査して、仲間を捜して……。
絶対に生き残ってみせますよ。この「名無したちの挽歌」の名にかけても、ね。
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