間
己の武器を確認した「5」(20番男)は心からの喝采を叫んだ。
「いける、これなら生き残れる。この勝負貰った!!」
この殺し合い、キャラが濃くなくては生き残れない。それは一書き手として当然の認識だった。
その点で「5」は大きく出遅れていた。
わずか6話しか書いていなく、にいむらたくみのようなトラブルも起こしていない自分など、マーダーの格好の的だ。
早急に自分のキャラを決めなくてはならない。できるだけ濃く。できればお笑い担当で。
それには支給された武器が重要だったわけだが・・・
「月代のお面!!これさえあればチャット組みにも負けないぜ!!」
チャット組みは脅威であった。彼らの濃さ、仲の良さは常軌を逸している。
だが、これなら対抗できる。「5」は早速お面をつけた。
「よし、予定どうりはずれないぜ(・∀・)」
「5」は仮面の下、満面の笑みを浮かべるとすぐさま木の幹に対して頭を叩きつけた。
「痛いぜゴルァ(゚Д゚)」
予定どうり、性格が変わる。だが、怒りっぽい性格はマーダーととられかれない。
再度頭を叩きつける。
ガン
「何でこんな痛い目に会わなきゃいけないんだよウワァン ゜(゜´Д`゜)゜」
ガン
「お星様が見えるよ(☆∀☆)」
ガン
「ガクガクブルブル (((( ;゚Д゚)))」
ガン
「…アヒャ(・∀・)」
…茂みを抜けた林檎が見たのは、流血しながら木に頭を叩きつける仮面の男。
しばらくそれを見守った後、思い出したように拳銃を構え、引き金を引いて、銃声が響いて、
林檎は首を振って、つぶやいた。
「…どうしてこう間が悪いかな…僕…」
【20番 「5」死亡】
【残り30人】
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