もう少し頑張りましょう(30点)






「う〜ん、む〜ん……」
やることがないのでとりあえず草むらを転がって時を過ごす。
「あー、たくさん殺したもんなー俺」
キャラロワ最多書き手である命(1)。名前の通り幾つものキャラの命を弄んだ男。
「そんな奴が『殺し合いは止めましょう!』なーんて言って信じてくれるだろーか、いや無理」
さっさと結論つける。
そう、感想スレでも出てたじゃないか。
「マーダー少なすぎ萎え〜。いい人ばっか萎え〜、すぐに仲良くコンビを組むキャラ多すぎ、萎え〜etcetc…」
そう、これは過去の反省点を生かした真・ロワイアルなのだ。
「そう、昔のままならいきなり俺は誰かと出会い、仲良くなり…
 脱出経路を探そうぜ〜的な展開になってたに違いない。
 そんな中で誰か可愛い女の子と熱いラブロマンスが生まれていたに違いない」
そして往人ら復讐の主催者軍団と全面対決になっていたに違いない。
そして、バカップルになってしまっていた自分は名誉の戦死を遂げたに違いない。
「いや、バカップルの場合不名誉な戦死か…」
……いいかげん雫ばりのシミュレートはやめよう。命は軽く頭を振った。
「多分いろんなところでたくさんのマーダーが生まれているに100誰彼」
第一参加者はみんなあのロワイアルを書いた残酷極まりない猛者どもなのだ。
「きっと挽歌さんなんて『真空』のような殺し方をすることも厭わないだろーし…」
想像して身を震わせる。
「……ハァ。とりあえずどう行動するかは置いておくとして…自分の武器位確認しておいた方がいいな」
まだしてなかったのか、という突っ込みはやめてもらいたい。
「だってそーだろ。下手に強力な武器を持つより、ぴろだとか(・∀・)お面だとか
 もずくの方が生き残る確率が高いじゃないか」
それらのキャラはみんな死んでるけどナー、ともう一人の自分が突っ込みを入れるが、
「いや、このロワはどっちかってとスタロワに近いからなー」
そう、彼はハートチップルのようなアイテムが出ることを望んでいた。
さすがにたくさん書いただけあってか、この葉鍵板でのロワイアルというものを分かっていた。
「さぁ、ネタアイテムよここに出ませい!!」
デイバッグのファスナーをスッ…と開ける。
「……」
中から出てきたのは、一本の木の棒…というよりむしろ枝だった。
「……」
木の棒にセロハンテープで乱暴に貼り付けられていた説明書にはこう書いてあった。
『上月澪の武器デス』
「……なんかもう、あはは〜って感じするよ実際」
頭の中で、【命 死亡 残り〜人】という書き文字が見え隠れしていた。



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