学校へ






 足元に転がる少女を見下ろす。
 散々梃子摺らせてくれたが、ようやく息を引き取ったようだ。
 この武器は相手の動きを止める事に関しては有効だけど、止めをさすのには向いていないらしい。
「まずは一人目・・・」
 そう呟くと、高瀬瑞希はゆっくりと家を出た。
 外はいつの間にか暗くなっていた。

 夢中で芳賀玲子を殴っていたので気付かなかったが、思ったよりも時間が経っていたらしい。
 これでは先に逃げたスフィーには追いつけないかな・・・と思いながらも、取り敢えず周辺を散策してみた。

 夜風が涼しい。
 獲物を取り逃した悔しさも、段々と薄れてくる。
 まあ、一人仕留めただけでも充分かな、と、休息ムードに浸ろうとしたとき、行く手に大きな建物が見えてきた。
 どうも学校らしい。 いかにも追われるものが逃げ込みそうなイメージを覚える。
 瑞希は、ふと「今日出来ることは今日終わらせる」という言葉を思い出し、その建物へと近寄っていった。

【芳賀玲子 死亡】
【残り46人】




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