二人は親友






太田香奈子は歩きつかれて途方に暮れていた。
いや、だってさ、私少し気が強い普通の女の子だし?
さっき瑞穂にあんな事言っちゃったけど、かなりなアタリ引かないと生き残るも何も…ねぇ。
という風な思いを頭に巡らせて香奈子はまだ鞄を開けてないことを思い出した。
何が入ってるかな…っと。
食料と(略)、それにナイフが一本。説明書によるとスペツナズナイフというらしい。
ボタンを押すと刃が飛び出すアレ。
…ナイフってどうよ。銃相手じゃさっぱり敵わないじゃない。
はぁ…瑞穂を一応仲間にして武器奪って殺っちゃえばよかったかも。
はっ、何考えてるのよ。瑞穂を殺すだなんてだめだめ。
…でもあの子じゃすぐ殺されちゃうだろうし。
あの子のことだ。さっきの所からあまり動いてないだろうし戻ってみよう。
動いてないという根拠はどこにもなかったが、長い付き合いだからだろうか。
こうして香奈子は瑞穂と出会った場所へ戻ることにしたのだった。

一方藍原瑞穂は親友だと思っていた香奈子に突き放された状況を未だ信じきれずに居た。
カナコチャン…。ナンデ…。
とりあえず鞄の中をあけ武器を探してみることに。
支給された武器はベレッタ92FSといわれる銃らしい。予備マガジンが3つ。
しかし、瑞穂には銃の名前なんて関係なかった。
ただ、これで生き残る確率が少しでも高くなった気がした。
安堵感に浸るのもつかの間、近くでカサカサと物音がした。
ダレカ…キタ?
すぐさま草むらに隠れ、銃を片手に息をひそめる。
そして一人の女の子が現れた。

【残り 48人】
【太田香奈子】支給武器:スペツナズナイフ
【藍原瑞穂】支給武器:ベレッタM92F



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