みお、わたしのみお
きがつくとここはこうえんで澪はひとりぶらんこにすわっていたの。
いつものふうけい。たわいないにちじょう。でもすこしおかしいきがするの。
そしたらいつのまにかとなりにだれかいたの。
それはやさしいせんぱい、くりいろのながいおさげのあかねせんぱい。
わたしはせんぱいにかけよってだきついたの。いつものいいにおい。
ああよかったさっきまでのはやっぱりゆめ。うれしくてなみだがぽろぽろとこぼれるの。
せんぱい澪はゆめをみたの。すごくすごくこわいゆめ。
わたしたちみんなでころしあわなくちゃいけないの。
やさしいひとがいたの。たぶん澪をたすけてくれようとしたの。でも澪のせいでしんじゃったの。
とってもこわいひとがいたの。澪をころそうとしたの。すごくこわかった。
え? ゆめじゃない? それどういうこと? こっちがゆめなの?
うなずくせんぱい。そんな。うそ。
おわかれ? もうあえないの?
どうして? どうしてそんなこというの? どうしてそんなかなしいかおするの?
澪はまだいきてるから? せんぱいはしんじゃったの?
いや、いや、そんなのいや。ゆめでもいいのずっとここにいて。
澪にはまだやることがある? こうへい……
おりはらこうへい……澪のたいせつなひと……だいすきなひと。
おわかれのことば。
せんぱいはさびしそうにわらったの。
意識を取り戻したらしくその場から去っていく上月澪にピタリと照準を合わせていた銃身を下げて月島瑠璃子はため息をついた。
今のあの娘は支給武器を失って何の力も持たない非力な存在。
そのうち誰かに簡単に殺されるだろう。
弾を無駄使いするまでもない、か……
次なる獲物を求めて瑠璃子は闇の中に消えた。
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