無題






「まぁ、そう言うことだ、無駄なことは考えず――」
 そこで突然男が言葉を止める。
 視線の先では二人の少女が居た。
「オラ!そこ!私語をするな!」
 男はそう言うと手に持っていたナイフを三つ編みの少女に投げつけた。
「ヒッ!」
 そのナイフは少女のおでこをかすめて壁に突き刺さった。
 もともと少し広めだったその少女のおでこの上の髪の毛を削って。
「チッ、手元が狂っちまったか。まぁいい。俺の話を黙って聞け。勝手に喋ったヤツは殺す」
 男はそう言うと黒板に何かを書き始めた。



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