狂えくるえクルエ
――狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え狂え――
参加者は62人。
最も多くても61人殺せば帰ることができる。
「祐くんと帰る…。祐くんと帰る…。祐くんと帰る…」
沙織は何度も呟いた。
幸せな日々を再び送る。それが唯一の望み。
一緒に学校行って、一緒におしゃべりして、一緒にデートして…。
祐介と過ごした楽しい日々が思い出される。
――くるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえくるえ――
あの日常をもう一度。
それまでは狂ってしまえばいい。
人を殺しても何も感じず、人を傷つけても何も考えず。
――クルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエクルエ――
支給武器の鋏を握る。
これで61人殺す。
「祐くん…。あたし頑張るよ…」
――がんばってね、沙織ちゃん――
恋人が、いつもの笑顔で応援してくれた。
――最後までがんばったら、いつもみたいにご褒美あげるね――
「やん♪ 祐くんのエッチ〜」
恋人が、いつもみたいに頭を撫でてくれた。
それは彼女の狂気の世界。
――ガサッ――
背後の繁みから音。
61人のうちの1人目。
【新城沙織】支給武器:鋏
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