無題






今夜は月は綺麗だ―――――

と、現実感のない意識の中で感じていた僕は、その夜空の異変に気づいていなかった。


―――月が大きくなっている。



――有り得ない、断じて有り得ない。


しかし、天上に輝く月は異常な大きさとなっている。
その時、有り得ないと思いながらも僕はわかってしまった。


―――月が近づいている。



もうどうにでもなれと半分自棄になりながら、僕は支給品の剣を取り出した。


―――生きているのなら月だって殺してみせる。


眼前に迫った月――否、今はただ巨大すぎるだけの塊の死の点を捉え、その剣で突き刺した。



結果――――月は瓦解し始め、大量の隕石めいた塊たちが雨のごとく降り注ぐ。


―――多い、あまりにも多い。


降り注ぐ月の欠片をすべて殺すことなど出来るはずもなく、僕遠野志貴は月に潰れその生涯を終えた。


【遠野志貴@月姫 死亡】





手始めに月を落としてやった。
意外なことに月は壊されたが―――
よもや、ゼルレッチ並の者が殺し合いに参加してるのではあるまいな?
だが、構わん。
私が殺し合いに生き残り、この銀河で最強の者となれば良いのだから。

【火星/1日目/深夜】

【朱い月】
状態:健康
道具:不明
思考:殺し合いに生き残る。ゼルレッチにリベンジ。



前話   目次   次話