お湯を求めて
「う〜ん、何も見つからないね」
「そうじゃな〜、何もないのう」
蘭、東、良牙の三人は氷川村に到着し、小麦粉を求め家宅を捜索していた。
しかし、家の中には小麦粉どころか食料と言えるものは何一つ無い。
念のため、周辺の家の中も調べてみるが結果は同じだった。
その間、良牙はお湯を求めてガスを灯そうとするが、火すら着くことはなかった。
あらかた調べ回った後に、三人はあることに気付く。
「けど、変よね。食べ物だけじゃなくて、台所に包丁も無いなんて。お皿やコップはあるのに…」
「ああ、変じゃ。何て言えばいいのかわからんが、なんていうか生活感が無いっていうか…。
とにかくそんな感じなんじゃ」
三人が気づいたのは、この島には電気、水道、ガスが通ってないということ。
そして、食料、武器が自らの支給品しか無いということであった。
「これからどうしよっか?小麦粉も見つかりそうにないし…」
蘭が今後のことについて話し合おうとした瞬間、彼方からの光が家の1/4ほどを飲み込んでいく。
幸い、三人は無事であったが、事態を把握しきれない。
「きゃあっ!!一体何!?」
「お、俺にもわからん!」
「プギー!?(な、何があったんだ!?)」
三人は、それが借金執事と戦神との戦いの流れ弾だとは夢にも思わなかった。
「と、とりあえず落ち着こう」
一番に落ち着きを取り戻したのは蘭であった。
行く先々で殺人事件に巻き込まれた経験は伊達ではない。
「お、おう、そうじゃな」
「(そ、そうだ。まずは落ち着かなくては)」
蘭の声により二人共落ち着きを取り戻す。
「まずは逃げよう。ここにいつまでも留まるのは危険よ」
「そうじゃな」
良牙も首を縦に振る。
そして、周りに人がいないのを確認すると三人は一気に家を飛び出した。
「何もなくてよかったのう」
「そうね。家が吹き飛んだときはどうなるかと思ったけど、何もなくて本当によかったわ」
運がよかったのか、三人は誰にも会わずにI-6まで逃げ切ることができた。
しかし、安心するのもつかの間、不意に後から声を掛けられる。
「ちょっといいかしら?ゲームにに乗ってないようだから聞きたいんだけど、ココっていう娘を見なかった?」
声の主はシェリー。
乱馬と武蔵と別れたシェリーはココの手がかりを探していた。
「あ、すいません。ココっていう人には会ってません」
「そう。時間を取らせてゴメンね。それじゃあ」
「あ、ちょっと待ってください!あなたのお名前は?」
「シェリー・ベルモンドよ。あなたは?」
「毛利蘭です。ところで、シェリーさんは江戸川コナン、毛利小五郎、灰原哀に会いませんでしたか?」
「河内、諏訪原、ピエロもじゃ!」
「ゴメンなさい。その人達には会ってないわ。
私が会ったのはキース・シルバーっていう危険人物と早乙女乱馬、宮本武蔵の二人組だけよ」
「ピギーーーー!?(乱馬だって!?)」
乱馬という名前が出た途端、今までおとなしかった良牙が暴れ出す。
「ちょっ!?良牙君、急にどうしたの?」
「なんか早乙女乱馬っていう名前に反応したようじゃが」
「その早乙女乱馬っていうのは良牙君の知り合いなの?」
良牙は首を縦に何度も振る。
「シェリーさん、その早乙女乱馬がどこに行ったか分かりませんか?」
「あの二人は診療所に行くって言ってたわ」
「診療所ですね。さっそく行ってみます。シェリーさん、ありがとうございました!ココさんを見つけたらシェリーさんのこと伝えておきますね」
「ありがとう。私の方もあなた達の知り合いに会えたら伝えておくわね。それじゃあね」
こうして蘭達とシェリーの邂逅は終わった。
そして、目的も定まる。
その先にいるのは早乙女乱馬。
【I-6 朝】
【毛利蘭@名探偵コナン】
[状態]健康
[装備]偽火@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1、早乙女乱馬に会うため、診療所に行く
2、良牙を元の姿に戻す
3、コナン、小五郎、灰原、あかねを探す
【東和馬@焼きたて!ジャぱん】
[状態]健康
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分、サブマシンガン)
[思考]1、早乙女乱馬に会うため、診療所に行く
2、河内、諏訪原、ピエロを探す
【響良牙@らんま1/2】
[状態]健康・Pちゃん
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分、本人は確認済み)
[思考]1、診療所に行き、乱馬にお湯を貰う
2、あかねを探す
【シェリー・ベルモンド@金色のガッシュ】
[状態]土まみれ
[装備]スパヴェンタ@からくりサーカス
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1、ココ、清麿との合流
2、ココを守る
3、ココと共にゲームからの生還
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