道化師二人






弱い自分と言う受け入れ難い現実を目の当たりにさせられたイアン。
彼は何よりも先に力を求めた。
そんな彼があても無く彷徨い続けて数時間経った頃。
時刻は正午という頃に見つけた。白いガーゴイルとも言うべき巨体を。
「おいおい何でこんなのが横たわってるんだよ。」
嘘だろうと思いながらも白い体を舐め回すように見る。
「そうだこいつはどうやって使ったらいいんだ。」
ネックレスかブレスレッドかさもなければイアリングか。
全長9mの巨体を隅から隅まで探す。ついでにその周辺も探す。
「あると思うんだけどなぁ・・・。」
「でも待てよ。ガーディアンって召喚するまでは別のところに居るはずだよな・・・。」
と言うことはここにアクセサリは無いのかな。
なんだか混乱してきたがこんな外見はガーディアン以外に考えられない。
こいつを使うのはアクセサリかな。それとも別の何かかな。
とにかく周辺を探す以外に手は無さそうだ。
元来メカが得意と言うわけではないエレオノールは困り果てていた。
読めもしないマニュアル片手に何とかコクピットまでは辿り着けた。
ここからが問題である。
「糸はどこだ。」
やはり彼女の頭からは人形=繰り人形という図式が離れないようである。
コクピットの隅々まで探して糸を求める。
90年生きたサーカスと人形だけの女。エレオノール。
彼女がコクピットを見つけられただけでも良しとするほかは無い。
イングラムの外にはARMの知識を持つイアン。
イングラムの中には繰り人形の知識を持つエレオノール。
微妙に惜しいが二人とも正解には辿り着けない。
【H-5 イングラムコクピット/放送直前】
【エレオノール@からくりサーカス】
[状態]健康
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)イングラムの説明書、イングラム@機動警察パトレイバー
[思考]1.どうしたらいいの?
   2.イングラムの糸を捜す。
   3.加藤鳴海を捜す。

【H-5 イングラム周辺/放送直前】
【イアン@MAR】
[状態]全身に軽度の裂傷
[装備]ニューナンブ式38口径の拳銃(残弾3/5)
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.生き残ってギドに会う。
    2.強大な力を手に入れる。
    3.化け物(とら)に復讐する。
    4.イングラムをどうやって使うか調べる。

[備考]イングラムは白面の手により林の中に隠されています。



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