戦国時代から来た男
ささいな誤解からうるさい出会いを果たした犬夜叉、御神苗優、パルコ・フォルゴレの三人。
誤解の解けた三人は優とフォルゴレが何とか犬夜叉を説得し、協力しあうこととなった。
最年少ながら、最も落ち着きのある優がこの場を取り仕切る。
「じゃあ、まず各々の目的から話すとするか
オレの目的はこのゲームを壊すことだ。そのためには、まず胸に潜んでいるという化け物をどうにかしなきゃいけねぇ。
さしあたっての目標はこの化け物のことだな」
次に口を開いたのは犬夜叉だった。
「まずは、かごめと鉄砕牙を探す。あれさえありゃあ、あんな女の一人や二人どってことねえよ。
他のことはその後だ」
最後はフォルゴレ。
「私は高峰清麿という男を探している。中学生ながら頭がよく、とても頼りになるやつなんだ。
清麿ならきっとこの殺し合いを止める術を見つけてくれるだろう」
「日暮かごめに高峰清麿か」
名簿に目を通しながら優が言葉を続ける。
「一応聞いておくが、お前ら、もしくはお前らの知り合いにこの化け物をどうにかできそうなヤツはいるか?」
「かごめならどうにかできるかもしれねえが…あんまあてにできねえな」
「すまないが、私はそのような知り合いはいないな」
「そうか。となると他の参加者を見つけるしかねえか」
そう言うと、今度はバッグの中から地図を取り出す。
「海の位置と方角から考えて、今オレらがいるのはおそらくHー8だろう。
人を探すんだからこの氷川村に行くべきだと思うんだが、どうだ?」
「たしかに村に行けば誰かいるかもしれないが、もし殺人者がいたらどうするんだ?」
「その点は心配いらねえよ。どうやら犬夜叉は鼻が利くらしいからな。
話すににしても逃げるにしても、かなりの確率でこっちが先手を打てる」
「そういうことなら異論はない」
「おれもいいぜ。まあ、誰がいても逃げる気はねえけどな」
「じゃあ、さっそく出発といきたいが、最後にそれぞれの支給品の確認をしないか?道中何があるかわからねえんだ。
早めに確認しといて損はないぜ。
ちなみに、オレのはこの『ジャバウォックの爪』だ。まあ、ちょっとごついナイフってとこだな」
優の提案から犬夜叉、フォルゴレもそれぞれ自分のバッグの中身を確認していく。
「なんだこりゃ?こんなんでどうしろっつーんだよ!」
文句の声をあげたのは犬夜叉だった。
犬夜叉のバッグから出てきたのは五つのバッジ。
しかし、説明書を読んだ優が犬夜叉をなだめる。
「いや、これはただのバッジじゃないみたいだぜ。
説明書によると、それにはトランシーバーの機能が付いてるらしい。以外に役立つんじゃねーか?」
「とらんしーば?なんだそりゃ?」
「トランシーバーも知らないのか。
トランシーバーっていうのは、簡単に言えば、それがあれば遠くにいても会話ができるようになるんだよ」
「結局のところ武器じゃねえのかよ。ま、捨てるのももったいないし持っておくとするか」
犬夜叉の確認が終わった後、二人の注目はフォルゴレに移っていた。
フォルゴレが手にするのは不気味に光る黒い筒。
「ショットガンじゃねえか」
「ああ。これで私も自分の身ぐらいはなんとか守れそうだな」
ショットガンを手にするフォルゴレの表情は嬉しさと不安が入り交じっているようだった。
そこに犬夜叉が口を挟む。
「なあ、そんなんでどうやって身を守るんだ?」
この言葉には二人とも呆れてしまった。
「あのな〜、これはショットガンだって言っただろ?まさか、お前ショットガンまで知らないなんて言わないよな?」
「んだよ!そんなもん聞いたことねえよ、文句あっか!」
「ショットガンのことを聞いたこともないだって?(まあ、それ自体はないことでもないな。
だが、トランシーバーのこと、犬夜叉という名前、格好、そしてあの犬耳。いろいろと聞いてみた方がいいかもな)」
「なあ、犬夜叉。突然だが今年は何年だ?」
「年?そんなの気にしたことねえよ」
「そうか。それじゃあ、お前の生活について教えてくれないか?」
その質問に対しては渋々ながらも犬夜叉は答えていく。
フォルゴレも初めは真面目に聞いていたが、日本の歴史に疎い彼は途中から聞き流していた。
「なるほど。よく分かった。(犬夜叉の話が本当だとしたら、こいつがいたのは日本の中世だな。それも戦国辺り。
ということは、あの女は時間を超えて人を集めたって訳か。
そうなると、名簿にあったボーマン教官とトニー・ベネットの名前にも納得がいく。
あの二人は確かに死んだはずだ。けど、ここにいる。つまり、死ぬ前の時間から連れて来られたんだ。
あの女が生き返らせた、っていう可能性も無いこともないが、こっちの方がよっぽど可能性が高いぜ。
なんたって実例が目の前にいるんだからな。しかし、時間移動か…。こりゃあ、一筋縄ではいきそうもねえな)」
「ところでよ、何でこんなこと聞いてきたんだよ?」
「気になるところがあったんでな。まあ、そのおかげでいろいろと分かったがな」
「あの話しで何が分かったんだよ?教えろよ」
「それより出発しようぜ。そのことは歩きながらでも話してやるよ」
犬夜叉と優の問答も終わり、いよいよ一行は氷川村へと歩き出す。
うるさい出会いを果たした三人。
今度はどのような出会いが待っているのだろうか。
【H−8 道路/早朝】
【御神苗優@SPRIGGAN】
[状態]健康
[装備]ジャバウォックの爪@ARMS
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.氷川村へ行く
2.日暮かごめ、高峰清麿、妖脾をどうにかできる人物の捜索
3.ゲームの破壊
【犬夜叉@犬夜叉】
[状態]健康
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)、探偵バッジ@名探偵コナン×5
[思考]1.氷川村へ行く
2.日暮かごめ、鉄砕牙の捜索
3.白面の打倒
[パルコ・フォルゴレ@金色のガッシュ】
[状態]健康
[装備]ショットガン(残り20発)
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.氷川村へ行く
2.高峰清麿、妖脾をどうにかできる人物の捜索
3.ゲームの破壊
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