第一発見者
殺生丸は激怒した。必ずかの妖怪を殺すと決意した。
人間が幾ら殺されようが構わない。しかし、殺生丸を利用することは何人たりとも許されないのだ。
知らぬ間に捕らえられ、得体の知れない妖怪を胸に巣くわせられる。これは、
プライドの高い殺生丸にとって屈辱以外の何者でもなかった。
だからこそ決意する、あの女を必ず殺すと。
殺生丸に支給されたのは一本の木刀であった。刀を使うこと
に長けた殺生丸にとってこの武器は有り難いように思われる。
しかし、殺生丸はこれを捨ててしまおうかと考えた。
妖怪である殺生丸にとって、ただの刀ましてや木刀など必要ないからである。
しかし、それは思いとどまることになる。
この木刀から不思議な力を感じたからだ。それもそのはず、この木刀は現代のさる大富豪家の家宝、
その名も『木刀・正宗』。
例え名匠が悩んでたとしても、名刀には変わらないのだ。この木刀を腰に差し、殺生丸は歩を進める。
そう、自分をこけにした女に死をもって償わせるために。
歩を進めて幾らかたった頃、殺生丸は異変を感じた。
「(血の臭いか。それもかなり近いな)」
血の臭いを辿り、着いたさきに待っていたのは一軒の御堂であった。
一悶着あったのか扉は壊れている。そして、血の臭いの発信源は間違いなくこの中であった。
殺生丸は何の躊躇もなく中に入っていく。そして待っていたのは首だけになった幼女の姿であった。
「人間の娘、か。そしてこの娘を殺ったのがこの臭いの主のようだな。(この娘の敵なぞとる気は微塵もないが一応臭いは覚えておくか)」
ナギの死体を確認した後、殺生丸は堂の中を見回す。そして、一つのデイバッグを見つけた。腕時計型麻酔銃もあったのだが、
戦国の世を生きる殺生丸にとって腕時計は未知な物と同時にとるに足らない下らない物にしか映らなかった。
一通り中を見終わった後、殺生丸は顔色一つ変えずに惨劇のあった場をあとにする。
目指すは白面の首、それのみ。
【Cー6 観音堂/早朝】
【殺生丸@犬夜叉】
[状態]健康
[装備]木刀・正宗@ハヤテのごとく
[荷物]荷物一式(食料・水四日分)
[思考]1.胸の妖怪をどうにかする
2.ゲームの破壊、そして白面の殺害
*ナギの死体、腕時計型麻酔銃@名探偵コナンはそのままです
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