今そこにある危機
「追ってはきてないよな?」
『うむ、どうやらそのようだ』
横島は周囲を確認し安全だとわかると安堵のため息と同時にその場に座り込み、
乾いた喉を潤すために水を補給する。
「それにしてもあのコスプレねーちゃんはなんだったんだ?」
『問答無用に我らを襲ってきたことから考えると十中八九ゲームに乗った者であろうな』
「ちきしょー、ちょっと可愛いくて婦警のコスプレなんてしてると思ったらこれだもんなぁ…」
『まあ、そんなに嘆くでない。今回は運が悪かったと思って諦めろ。
それよりも、今後はこの様なことがないよう気をつけるべきだな』
「わかっ、ん?おい、バンダナ、何か人の気配がしないか?」
『貴様に言われるまでもない。確かに誰かがこちらに近づいているようだな』
「まさかさっきのコスプレねーちゃんか!?」
『その線もある。ひとまず隠れて様子をうかがおう』
そして現れたのは制服姿の女子高生一一天道あかねであった。
『さっきの輩ではないようだな。さてどうする?』
「さっきの例もあるけど何とか接触したいところだな。何かの情報を持ってるかもしれないし
(なんたって相手は制服女子高生!それに顔を見る限り現役!声をかけないでどうするってんだ)」
『また良からぬことを考えているようだが、お主の言うことも一理あるな。
よし、声をかけてみろ。ただし油断するでないぞ』
バンダナとのやりとりの末、接触することにした横島はあかねの前に飛び出した。
「き、急になんなのよ、あんた?ゲームに乗ってるなんていったらただじゃおかないんだから!」
急に飛び出してきた横島に対しあかねは一瞬は驚いたものの速やかに間合いをとり
片手に手榴弾をしっかりと握り構える。
「い、いや、俺は横島忠夫。決して怪しいものじゃないんだ!」
『(こやつ、何も考えずに飛び出しおったな…)』
「そんなの信用できないわ!ゲームに乗ってないっていうんだったらそのバッグをこっちに投げてみなさいよ!」
『どうやらむこうはゲームに乗ってないようだ。バックを渡してみろ』
横島はすぐさまあかねに向かってデイバックを投げた。
「本当に信用していいのね?」
「だから俺は本当にゲームには乗ってないって!」
「いいわ、信用してあげる。いろいろと疑っちゃたりしてゴメンね、横島君。あたしは天道あかね、よろしくね」
何とか信用を得ることができた横島は次に当初の目的である情報交換を提案した。
特に二人ともともマーダーに襲われたこともあり、その情報は双方にとって有益なものであった。
「つまり、横島君は得体の知れない術を使う警察の格好をした女性に襲われたわけね」
「ああ。で、あかねちゃんの方は発火能力者の外人に襲われたと」
「ええ」
「ところで、その左腕本当にいいの?」
「うん、痛いのは確かだけど我慢できるから。
それにこんなことでその文殊っていうの使うわけにはいかないと思うの」
横島はあかねの左腕を気にかけ、何度も文殊での治療を提案したが、
すでに文殊の説明を聞いたあかねは文殊の重要性を理解し、その提案を断り続けていた。
『それにしてもまずい状況だな。この狭い範囲に二人もゲームに乗った人間がおる。
すぐにでもこの場を離れるのが得策だが、どう思う?』
「バンダナが言うんだからそれでいいよ」
「あたしも特に異論はないわ」
『決まりだな。敵はどこにいるかわからんから決して気を抜くなよ』
こうして二人、もとい二人と一枚は危機から脱出するための行動を開始した。
【Bー4 鎌石村道路/朝】
【横島忠夫@GS美神極楽大作戦!!】
[状態]健康
[装備]心眼のバンダナ
[荷物]荷物一式(食料二日分、水1/6消費)、文殊(1個)
[思考]1.鎌石村からの離脱
2.死にたくない
3.取り敢えずゲームに参加する気はない
【天道あかね@らんま1/2】
[状態]左腕に酷い火傷
[装備]なし(制服の上着は脱いだので夏服)
[荷物]荷物一式(食料若干減、水二日分、手榴弾4個)
[思考]1.鎌石村からの離脱
2.早乙女乱馬、響良牙との合流
3. ゲームからの脱出
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