森林での出会い
「誰もいないわねぇ…」
そんなことを考えながら、桂ヒナギクは森の中を歩いていた。
30分ほど前、ここに着いてまずしたのがザックの中身の確認。
入っていたのは食料、水、時計、筆記用具、地図、コンパス、名簿、そして二本の刀。
どうやらこの刀は『磁双刀』というらしく、剣道部のヒナギクにとっては当たりともいえた。
次いで名簿の確認。そこには三千院ナギと綾崎ハヤテの名があった。
「綾崎君はともかく、ナギは危ないわね。早く見つけなきゃ」
言うが早いか、ヒナギクはN刀を携え、ザックを持ち、森の中を歩いていった。
そして物語は冒頭に移る
「ん?あれは?」
森を歩いているうちに木の陰に人らしきものが見えた。
よく見てみると、どうやら男性で、歳は高校生ぐらいのようだ。そして剣道の道着を着ている。
ゲームに乗っているかもしれないが、意を決して声をかけてみることにした。
「あのー、すいません」
男は驚いた顔をしたが、すぐさま、「きさま、いったい何者だ!」と、問い直してきた。
「私は「人に名を問う時は自分から名乗るのが礼儀だな!よし、ぼくから名乗ろう!」
男はゲームに乗っていないようで安心したが、ヒナギクはその態度に呆気にとられ声を挟むことができなかった。
「ぼくは、二年E組九能帯刀。剣道部主将。連戦連勝高校剣道界期待の超新星。
人呼んで風林館高校の蒼い雷!」
「そ、そうですか、九能さん。私は白皇学園生徒会長、桂ヒナギクです」
「では、桂ヒナギクよ、何の用でぼくに声をかけてきた?」
そこでヒナギクはナギとハヤテについて聞いてみた。
「スマンがぼくは人に会ったのは桂ヒナギク、お前が初めてだ。
お前の方こそ天道あかねという美少女を見てないか?」
「ごめんなさい。私の方も今まで人に会ってないのよ」
「そうか。だったらすぐにでも探しにに行かなくては!
可憐なあかね君のことだ、きっとこの島のどこかでぼくを求めて泣いているに違いない。
では、さらばだ、桂ヒナギク!」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!どうせだったら一緒に行動しない?
目的が人捜しで一致してるんだし、一人よりも二人の方が効率がいいわよ」
「それもそうだな。しかし悪いが桂ヒナギク、お前の思いには答えられんぞ。
ぼくには既に天道あかねとおさげの女という決まった相手がいるのだ。しかし、
どうしてもというなら考えてやらなくもないぞ」
「なんの話をしてんのよ!変なこと言ってないでさっさと行くわよ!
天道さんが待ってるんでしょ」
こうして二人は行動を共にし、森の中を歩いていった。
探し人の一人がもう死んでるとは夢にも思わずに…。
【Dー5 森の中/ゲーム開始から30分経過】
【桂ヒナギク】@ハヤテのごとく】
[状態]健康
[装備]磁双刀(N刀)@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料・水二日分)、磁双刀(S刀)@烈火の炎
[思考]1.三千院ナギ、綾崎ハヤテ 、天道あかねとの合流
2.ゲームからの脱出
【九能帯刀@らんま1/2】
[状態]健康
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)、アイテム不明
[思考]1.天道あかねとの合流
2.天道あかねと共にゲームを脱出
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